研究分担者 |
北島 貞吉 九州大学, 工学部, 教授 (10037690)
渡辺 伝次郎 東北大学, 理学部, 教授 (50004239)
井村 徹 名古屋大学, 工学部, 教授 (50022968)
藤本 文範 東京大学, 教養学部, 教授 (70012242)
裏 克己 大阪大学, 工学部, 教授 (10028938)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1986年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
今回のHVEMに関する総合(A)研究班は, "第8回国際HVEM学会議"および大阪で開催された"HVEMその場実験・国際シンポジウム"の直前に認可され, お陰で十分に両国際学会に機能することができた. この両国際学会ではHVEMの多くの面において我が国は圧倒的な強さを発揮して, その優位さを世界に認識させたが, 経緯から, 我が国の責任の重さを更めて痛感した. この感をより強めたのは, 一部の強い反対にも拘らずHVEMの製作を放棄した英国のニュースであった. 一度電顕製作を放棄すると, 再びこの分野へ復帰することが非常に困難なことはシーメンスおよびRCAの例を見ても明らかで, その意味でこの度の英国の決定は, 我々にとっても重要な問題を含んでいる. 第一の問題は, 彼等のHVEMが製作後に10年以上の歳月を経過しており, 可成りの改良を施しても旧設計のものを現時点で可能な同電圧の電顕性能に近づけることは極めて困難である. 第二はHVEMが新しい世代の研究課題に対応するためには常時新しい改良が必要である. 第三は, HVEMの更新には多額の費用を必要とすること. これらの問題は, 英国より早く, または同時期に設置された我が国のHVEMについても例外ではない. 一方, 別紙の報告書にまとめた如く, HVEMは応用面で新しい時代を迎えつつある. その場実験法を中心として, 非染色生物試料の観察, 複雑環境下での物性の動的研究, チャーネリング放射, 電子線理工学による新素材の開発などの新しい課題が山積みしている. これらに対処するため, 今回の当研究班では幾度か我が国におけるHVEMの将来像を討議した. その結果, 各HVEMを各自の得意とする新課題に適した特徴あるものに仕上げるとともに, 多様化している使用目的を各専門装置で分担することで装置の稼動率の向上を計り, 併せて使用時間の一部を他機関の研究者に開放することによってHVEMの底辺を拡げることを申し合せ, その実現に鋭意努力中である.
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