研究課題/領域番号 |
60300021
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
氏家 宏 琉大, 理学部, 教授 (60000113)
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研究分担者 |
木庭 元晴 関西大学, 文学部, 助教授 (40141949)
松田 伸也 琉球大学, 教育学部, 助手 (30157317)
河名 俊男 琉球大学, 教育学部, 助教授 (60044955)
渡久山 章 琉球大学, 理学部, 助教授 (50045001)
山本 聰 琉球大学, 理学部, 助手 (50124855)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1986年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1985年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 琉球弧 / 現世サンゴ礁 / 石西礁 / 海水組成 / 底質 / ユニブーム音波探査 / 傾動運動 / タービダイト・エプロン |
研究概要 |
琉球弧最大の現世サンゴ礁である石西礁は、八重山群島石垣島・西表島間にほぼ東西に約25km,南北に約15kmかけて広がる礁湖を備えている。 1.現在の海洋学的環境の全容をつかむため次のような結果を得た。8月上旬の25測点における水塊構造と海水組成の解析によると、礁湖内はかなり均質である。2河川による陸水の流入範囲はかなり限定されている。特に仲間川のそれは栄養塩類や酸素不飽和量の急減で明示される。北接する名蔵湾の底では低温・高塩分の外洋水の流入とともに、高濃度の栄養塩類が底質から供給されていることが示唆された。 礁内外にわたる90点の底質の各種分析結果では、石灰質生物遺骸(特に六射サンゴ)の供給に基づく礁湖内と陸源物質の供給の影響を著しく受けている礁湖外との対照性が明らかとなった。 2.石西礁の形成過程を中心にした本海域の地史的変動は、沖縄トラフ形成と明らかに連動していることがわかった。ユニブーム音波探査によると、石西礁の基底-完新統の基底は水深にて25m前後で浅く、北へ35mと少し深くなる、つまり後氷期の海面上昇に伴う礁形成の途上,北に傾く傾動隆起があったと思われる。周辺陸域の離水ノッチやビーチロックの高度分布と年代を調べると、約4200年前より約1000年前にわたる海水準安定期の後に同様な傾動運動があったと推定された。エアガン音波探査記録の地質学的再検討によれば、上部更新統の琉球石灰岩の高度分布も同様な運動を反映しているが、沖縄トラフに面した北側では2段にわたってステップ状に落ちこんでおり、同トラフのリフティングの表われの一つとなっている。南側は先島海段に向う急斜面となっており、その麓にはタービダイト・エプロンが発達するが、ピストン・コアを採取した所、現世のものであった。〔以上の詳細は月刊地球9巻3号に特集号として公表した〕
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