研究課題/領域番号 |
60300023
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
杉 晴夫 帝京大, 医学部, 教授 (20082076)
|
研究分担者 |
若林 克三 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00029521)
太和田 勝久 九州大学, 理学部, 助教授 (20029507)
柳田 敏雄 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (30089883)
富田 忠雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (50078763)
清水 博 東京大学, 薬学部, 教授 (30037577)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | 筋収縮 / クロスブリッジ / 筋フイラメント / 滑り説 / ATPase活性 / 張力発生 / X線回折 / 化学修飾 |
研究概要 |
昭和61年度の本研究班の研究によって得られた主要な知見、成果は以下のように要約される。 1,筋収縮時の動的X線回折〜若林、松原らは骨格筋の収縮に先行してアクチンフイラメント由来の59【A!゜】および51【A!゜】層線の強度が増大することを見出した。これは一部のクロスブリッジのアクチンフイラメントへの結合によるものであるが、筋肉を伸長して筋フイラメントの重なり合いをなくしても上記層線強度増大は消失しないことから、少くとも一部はアクチンの構造変化によるものである。 2,蛍光ラベルしたアクチンフイラメントによる滑り機構の研究〜柳田らは、ミオシンをコートしたスライドガラス上で蛍光ラベルしたアクチンフイラメントを滑走させてビデオにより記録し、ミオシン分子の二個の頭部のうち1個を酸素処理により除去してもアクチンフイラメントの滑走がおこることを示した。また、Z膜でのアクチンフイラメント結合を切断した筋原線惟を用いて同様な実験を行い、1個のクロスブリッジがATP1分子の加水分解あたり約600【A!゜】にわたってアクチンフイラメントを滑走させうることを見出した。 3,筋線惟の化学修飾による滑り機構の研究〜茶円、杉らはグリセリン抽出骨格筋線惟におけるミオシン頭部をランダムにp-PDMによって修飾し修飾の程度によっていかに張力発生値とATPase活性とが変化するかを確率論的に研究した。その結果、ATPase活性は修飾されないミオシン頭部の総数によって決まるのにたいし、張力発生は二個の頭部とも修飾をうけていないミオシン分子数で決まることを見出した。これは張力発生の際ミオシンの二個の頭部が協調的に働くことを示すものである。
|