研究分担者 |
河内 眞紀子 (河内 真紀子) 工業技術院, 製品科学研究所(昭和62年度より), 主任研究官 (80126052)
松下 孝幸 長崎大学, 医学部, 助教授 (80108282)
上村 俊雄 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (40136833)
内藤 芳篤 長崎大学, 医学部, 教授 (30039490)
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研究概要 |
与論島において風葬骨の計測, 生体計測, および考古学的調査を行なった結果, 次の結論をえた. 1)近世に由来すると思われる風葬骨の形態は, 鹿児島と沖縄, とくに宮古との中間型を示すと同時に北九州とは著しく異なる. 2)生体計測値もほぼ同様の傾向を示す. 3)考古学的には, 九州から南下した文化と, 沖縄から北上した文化が混在する. 以上のことから, 与論島の文化は縄文文化を基層とし, 二次的に沖縄に起った琉球王朝の文化の影響を受けたこと, また与論島人は文化と同様に縄文人の伝統を濃厚に残しつつ近代化にしたことが推測される. このことは逆に, 弥生時代以降, アジア大陸から渡米した北方モンゴロイドの影響をほとんど受けていないことを示すが, おそらく近世になって, 多少九州方面からの遺伝的影響を受けたと解することができる. さらに従来の研究と比較すると, 奄美諸島においては, 南九州から沖縄にかけての明瞭なクラインが存在する.
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