研究分担者 |
矢野 喜夫 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (90093351)
野村 庄吾 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50027702)
落合 正行 追手門学院大学, 文学部, 助教授 (10098098)
湯川 良三 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (30047352)
清水 御代明 京都大学, 文学部, 教授 (20031669)
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研究概要 |
連想機構および言語表象の発達を総合的に検討するという今回の共同研究の目的にそって, 本報告書は, 序文で全体の概要を述べたのち, 主として連想機構に関わる第1部(第1章から第4章まで)と, 主として言語表象に関わる第2部(第5章から第8章まで)とに分けて, 個別研究の要旨を述べた. なお, 連想研究においてはなまの資料に近いものの出版が必要であるが, そのような機会はこのような報告書を除いてはなかなか得がたいので, 第1章と第8章に付表をつけるなど, できるだけ資料を収載するように努めた. 以下に各章の概要を報告する. 第1章では, 小学生を対象として連想反応語を刺激語とする逆連想反応を求め, 刺激-反応連合の可塑性の増大と反応語相互の結合性の増大を検討した. 第2章では, 同義語・類義語・同一語の名詞形および形容詞形の刺激語に対する自由連想反応を分析し, 意味的・形態的な類似性による連想の違いと共通性を調べた. 第3章では, 連想連関構造の安全性を検討するため, ジャワの小学生の自由連想資料についてランダムに被験者または刺激語の一部を除いた資料の連想連関構造と比較した. 第4章では, 連想の内的過程と外的連想反応との関係を探るため, プライミング実験によりターゲットの音読時間と色名呼称に及ぼす連想出現頻度の効果を比較した. 第5章では, カテゴリー名辞に対する6歳児の自由連想反応の内容を分析し, 小学生のそれと比較検討した. 第6章では, 心情的連想反応として現れるカテゴリー的形容詞に対する幼児の事例連想反応を発達的に分析して, 日常経験の心情的カテゴリー化による連想の形成過程を検討した. 第7章では, 色見本を材料とする非言語刺激と言語刺激(色名)に対する意味的表象の異同を比較検討した. 第8章では, 養護学校中高等部の知的遅滞児の自由連想反応を健常児の連想と比較検討した.
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