研究概要 |
本研究では, ここ数年急速な発展をとげつつあるニューメディア, とりわけCATVに焦点をあて, その普及がもたらす情報環境の変容および住民の側の情報行動の変化を, 実証的に調査研究し, かつ, その現状と今後の発展の可能性を多角的に検討した. 研究は3班に分かれて行ったが, 相互にその研究成果を交換しつつ総合的・統合的な視点を確保するため, 研究分担者全員で議論を深めるとともに, 調査地域を共通にし, 聞き取り調査などを共同して行うなどの配慮をした. 第1班は, CATVの「施設経営・番組研究」班であり, 洛西ケーブルビジョン, 津山放送, 伊万里有線テレビ生活協同組合, 唐津市テレビ受店生活協同組合, レイクシティ・ケーブルビジョン(LCV), 武雄有線テレビ, 茨城県の研究学園都市コミュニティ・ケーブル・サービス(ACCS), 東急有線テレビ, ICN町田テレビ局の各CATV施設において, 聞き取り及び資料調査を行った. 第2班は, CATVとの関連で「地域住民の生活意識・情報行動」の変容を研究した. 上記の聞き取りに参加するとともに他2班による実証知見を受けて, 特徴的なCATV施設を選び, 多チャンネル化・自主製作番組・衛星放送などにも着目して, 統計標本を行った. 調査対象は, 諏訪のLCV(1,200サンプル), 筑波研究学園都市のACCS(1,000サンプル), 都下町田市のICN(加入全世帯)である. 第3班は, 他2班の実証研究に電気通信政策やメディア秩序といったいっそう大局的な観点から参加するとともに, 調査研究にもとづく「有線通信システム」をめぐる法制度研究」を行って, その成果を各班に還元することによって, こうした側面での知見を補強した. 以上の研究は3班の討議をへて, 報告書としてまとめられた.
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