研究課題/領域番号 |
60301026
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
古城 利明 中央大, 法学部, 教授 (70055185)
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研究分担者 |
小倉 充夫 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (40055322)
中村 平八 神奈川大学, 経済学部, 教授 (10078280)
木田 融男 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (50094503)
清野 正義 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (30066659)
庄司 興吉 東京大学, 文学部, 助教授 (30061203)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 16,900千円)
1986年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1985年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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キーワード | 世界システム / 世界社会 / ネオ・ナショナリズム / 国際経験 / 国際インフォーメーション |
研究概要 |
1.これまでの研究の蓄積に依拠しつつ、次のような作業仮説を設定した。(1)今日の人類危機に対応する準拠枠は世界社会である。(2)世界社会は中心部・半周辺・周辺部の不平等構造をなし、そこでは世界的規模での人種・民族的階級構造が形成されている。(3)日本社会はこの中心部に競り上がり、そこではネオ・ナショナリズムが台頭してきている。 2.この作業仮説に基づき、(1)東京・大阪・広島・仙台の有識者・研究機関代表者25名を対象とした面接調査、(2)横浜市(予備調査,回収サンプル455)、東京23区(本調査、602)、大阪市(本調査、600)の市民を対象に「『世界のなかの日本』に関する意見調査」を行なった。 3.それぞれの調査から得られた主な知見は以下のようであった。(1)有識者・研究機関代表者調査。1)それぞれの経歴にてらした人類危機の認識が共有されており、ここから国民国家をこえた世界社会、世界連邦などの展望が生まれている。2)核戦争、南北格差、環境破壊、人間性崩壊という人類危機はなお進行するとみるものが多く、また現行の社会主義には疑問をもつむきが強い。3)日本人および日本社会の認識については、世界社会のなかで経済的、民族的に優れているとしながらも、現在のネオ・ナショナリズム化に危機感をいだいているものが多い。(2)市民意識調査。1)日本社会が世界社会の中心部化したことによる中流自足意識や私生活意識の肥大が顕著であり、これに伴ってネオ・ナショナリズムの台頭がみられる。2)このことは西欧に偏りつつも拡大している国際経験や国際インフォーメーションとも関連している。すなわち、国際化が進む程にネオ・ナショナリズム化が進むという関連である。他方、国際化による世界社会のイメージの拡大、人類危機への認知も増大しているが、これらのイメージや認知は有識者・研究機関代表者と比べるとかなりの落差がある。
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