中学校教員の役割革新に関する基礎的研究-学校の病理的現象との関連で-

• 研究課題/領域番号: 60301035
• 研究種目: 総合研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 教育学
• 研究機関: 東京学芸大学
• 研究代表者: 松本 良夫 東京学芸大, 教育学部, 教授 (20014805)
• 研究分担者: 渡部 真 横浜国立大学, 教育学部, (専任)講師 (20167191) ; 河上 婦志子 神奈川大学, 外国語学部, 助教授 ; 小島 秀夫 茨城大学, 教育学部, 助教授 (50111349) ; 陣内 靖彦 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30014848) ; 名越 清家 福井大学, 教育学部, 助教授 (20030041) ; 中村 清 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (20030033) ; 麻生 誠 大阪大学, 人間科学部, 教授 (00014689) ; WATABE Makoto Lecturer, Departmenta of Education, Yokohama National University ; KAWAKAMI Fujiko Associate Professor, Department of Foreign Language, Kanagawa University
• 研究期間 (年度): 1985 – 1986
• 研究課題ステータス: 完了 (1986年度)
• 配分額: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円); 1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円); 1985年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
• キーワード: 教員の役割不適応 / 教員のストレス

研究概要

中学校教員の役割不適応の要因をつきとめ、役割革新の可能性を検討するために、以下の調査を実施した。なお、本研究は、昭和59年度の先行研究ー総合研究A(59310039)「中学校教員の役割不適応に関する実証的研究」ーの成果を発展・深化させたものである。我々が実施した調査は、下記のとおりである。1)中学校教員調査、2)中学校退職教員調査(以上昭和59年度)、3)小学校教員調査、4)高等学校教員調査、5)中学校管理職調査(以上、昭和60年度)、6)中学生の父母調査、7)教育委員調査、8)教員組合幹部調査(以上昭和61年度)。
1)中学校教師の勤務状況は、小学校・高校教師に比して、特に厳しい。中学教師は、小学校教師よりも役割葛藤が大きい。小学校教師の教育観は、理想主義的、楽観的なのに対し、高校教師のそれは現実主義的、悲観的である。中学校教師の教育観、職務態度は前二者の中間にある。それだけに、役割葛藤の度も大きい。中学教師は、義務教育と中等教育の二重役割を期待されているため、両要請の「板ばさみ」的状況におかれている。
2)中学校一般教師の職務態度と管理職の教育観との間には、かなりの差がみられる。管理職の教職についての役割規定は、建前本位、拡張的である。
3)中学教師の役割規定と父母の期待との間にもかなりの差がみられる。
4)教職遂行に影響力をもつ教育要員・教員組合幹部の教職観には、大きな懸隔があり、その一部は敵対的な対立になっている。
これら知見から、中学校教員の役割不適応を解決するには、(1)中学校に固有の役割の明確化、(2)管理職と一般教員間の関係調整、(3)教職員集団内のリーダーシップの確立、(4)教師役割と親役割との再調整、(5)学校管理者と教員組合との対立の緩和が要請される。

研究成果

• [文献書誌] 松本良夫: 教育社会学研究. 第41集. 76-92 (1986)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 渡部真: 中学教育. 31巻7号. 118-127 (1986)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 松本良夫,河上婦志子,小島秀夫: 高校教育展望. 11巻6〜8号. (1986)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 松本良夫: 月刊教育ジャーナル. 25巻3号. 50-55 (1986)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 松本良夫: 東京学芸大学紀要第1部門. 第38集. 65-75 (1987)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 松本良夫他: 東京学芸大学教育学研究年報. 第6号. (1987)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Yoshio Matsumoto: "Some Concerns and Opinions of teachers for the debates about Educational Reforms" The Journal of Educational Sociology. Vol.4. 76-92 (1986)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Makoto Watabe: "Professional Lives of Junior High School Teachers Part1: Demands from Elementary School Teachers" Education in Junior High School. Vol.31 No.7. 118-127 (1986)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Yoshio Matsumoto: "Professional Lives of Senior High School Teachers Part1: Their Difficult Situation and Role-conflicts" Senior High School Review. Vol.11 No.6. 88-94 (1986)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Fujiko Kawakami: "Professional Lives of Senior High School Teachers Part2: Their Role and Behaviors" Senior High School Review. Vol.11 No.7. 78-85 (1986)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Hideo Kojima: "Professional Lives of Senior High School Teachers Part3: Their Outlooks on Teaching Profession" Senior High School Review. Vol.11 No.8. 76-82 (1986)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Yoshio Matsumoto: "Pleasure and Pain of a Jinior High School Teacher in Comparison with Elementary School and Senior High School Teachers" Monthly Journal on Education. Vol.25 No.3. 50-55 (1986)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Yoshio Matsumoto: "Attitides of Teachers to Their Jobs ---Comparison among Primary, Junior High, Senior High School---" Bulletin of Tokyo Gakugei University, Sec. <I> . Vol.38. 65-75 (1987)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Yoshio Matsumoto, et. al.: "A Situation of Articulation among Primary, Junior High and Senior High Schools" Research Journal on Education of Tokyo Gakugei University. Vol.6. in printing (1987)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より