研究分担者 |
小林 文男 広島大学, 総合科学部, 教授 (80116582)
二宮 晧 (二宮 皓) 広島大学, 教育学部, 助教授 (70000031)
今泉 信人 広島大学, 教育学部, 助教授 (60036861)
寺川 智祐 広島大学, 教育学部, 教授 (50036836)
大谷 光長 広島大学, 学校教育学部, 教授 (70116549)
吉田 正晴 広島大学, 学校教育学部, 教授 (20020109)
|
研究概要 |
本研究では, 日本及び諸外国の性教育と薬物乱用防止教育の内容・方法について比較的研究を進め, わが国の性教育・薬物乱用防止教育の展開に示唆を得ることを目的としている. そこで最終的には, アメリカ, イギリス, 西ドイツ, フランス, スウェーデン, ソ連, 韓国, タイ, 中国等をとりあげ, 特色ある事例として分析してきた. その結果, わが国への示唆として, 次の諸点を明らかにすることができた. 1.性教育は, それぞれの国の性の文化や性に対する価値観と深く結びついているので, わが国にあってもそうした文化的背景を基礎とする性教育を考える必要があること. 2.性教育を「生殖教育」あるいは単なるセックス否定教育にしないで, たとえばスウェーデンの「男女共生の教育」, アメリカの「新性教育」にみられる人間生活の広い観点からとらえること. 3.性教育の研究については, アメリカなどで試みられているように, その教育効果に関する実証的研究が必要であること. 4.薬物乱用の実態や問題行動も国によって大きく異なっており, とりわけ薬物の定義や範囲が多様であること. 5.薬物乱用防止教育は, 麻薬やシンナー等の教育だけでなく, アルコール, タバコといった飲酒・喫煙の教育も含むことが望ましいこと. 6.薬物・麻薬は, 諸外国においても青少年の問題行動の中で増大する傾向にあり, 重大な問題となっている. わが国でもそうした世界的な傾向が同じようにみられるため, 今後, 薬物乱用防止教育への実践的とり組みとプログラム開発が必要であること などを指摘することができる.
|