研究分担者 |
古林 森広 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (80043397)
今永 清二 広島大学, 文学部, 教授 (60033502)
好並 隆司 岡山大学, 文学部, 教授 (70032688)
森田 明 大阪市立大学, 文学部, 教授 (20078455)
横山 英 広島大学, 文学部, 教授 (30033468)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1985年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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研究概要 |
本研究の目的は近年発達の目ざましい社会史, 民衆史, 地域史などの研究成果を吸収し, アジア社会の細胞状基層社会・集団の変動過程とその諸形態を理解するところにあった. そのため具体的には中国, 朝鮮, 東アジアにわたって, (1)さまざまな結社・団体・グループの生成より衰退に至る過程, (2)特定できない人間社会の変動過程(例えば人口移動と変動), (3)諸々の社会構造の変動(例えば家父長制家族の変貌・崩壊過程)の歴史学的調査と分析を試みた. いまこの3項目に即して本研究計画の成果を整理してみると, (1)に関しては, 寺地遵は南宋政権確立期の諸政治集団の全体像を集団間の運動と闘争関係を含めて詳細に検討した. 特に最大の影響力をもった秦檜集団の構成・特質・形成過程・限界を全面的に明らかにした. 森田明は明清時代, 福建施氏一族の活動と発展の経緯を族譜の発掘と分析を通して跡づけ, 貴重な成果をあげた. 吉岡真は魏晋南北朝期より隋唐時代に至る貴族社会・制度理解の根幹に関係する名門氏族の推移状況を膨大な墓誌銘の解析によって把握することを目ざし, そのための基礎的人名索引, 研究文献照合表などを完成させた. (2)については古林森広が宋代手工業社会, いわば職人世界の構成と運動に取組み, 特に金属加工業, 食品加工業などで顕著な成果をあらわした. 今永清二・利光正文らはイスラム教が浸透することによって伝統的ジャワ社会がどのように変容したかという課題と取組み, 今日のジャワ社会の複合性・多重性の歴史的根拠の解明を試みた. 好並隆司は秦漢時代の基層社会である里の日常生活において巫祝の果した役割を新出土史料の日書(日占い)を用いて分析した. 中山義弘は女性運動の高潮が近代中国の社会変動全体の中で占める位置について考察した. (3)に関して, 伊原弘介は清朝時代の農村支配とそれに対応する農村社会構造, そうした関係から生じた農村社会の変動を分析した.
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