研究分担者 |
鈴木 一州 神戸大学, 教養部, 教授 (40031306)
桂 圭男 神戸大学, 教養部, 教授 (80031285)
鈴木 利章 神戸大学, 文学部, 教授 (30073357)
杉村 貞臣 関西学院大学, 文学部, 教授 (90103126)
柘植 一雄 関西学院大学, 文学部, 教授 (50098331)
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研究概要 |
昭和60-62年度における研究成果の概要は以下の通りである. 1.古代史. ローマ共和政初期の政権については市民倫理とプローウォカーティオーから考察すべきこと, またヘレニズム時代に関しては, 特徴あるヘレニズム玉権がディアドコイ期といった変動期に形成されたこと, 前4-前3世紀のアテナイにおける政権変動はヘレニズム君主の影響力によるものであったこと, などを強調した. 2.中世史. ビザンティン帝国の帝位継承は家系の連続と皇帝家不可侵の原理にあったこと, ドイツについて特殊な選帝侯制とハプスブルク家の帝位獲得事情について, イギリスについてはノルマン・アンジュヴァン両朝の大陸政策を中世の地理概念から考察すべきこと, 14-15世紀のツンフト闘争ではシンフトは市参事会の廃止ではなく, それへの参加を求めた点, などを取り上げた. 3.近・現代史. イギリスについては, イギリス革命に対する視点の整理・第二次選挙法改正以後の政権問題では参政権をえた労働貴族の動向について, 20世紀初頭では軍制問題をR.B.ホールデンの陸軍改革について, それぞれ検討した. フランスについては, ナポレオン政権成立の社会的基盤の実態を把握するためノルマンディのコー地方の農村マニュファクチュアを調査し, 第三共和政の成立については従来の学説を批判し, ティエールの去就に注目した. ロシア革命では, 1917年における2回の革命を第一次世界大戦の総力戦と切り離して論じられないことを明らかにし, またドイツについてはヒトラー政権の成立において, ナチ党の得票率が高められた理由をベルリンの民衆の日常生活の場合から取り上げ, アメリカについては1850年代におけるネイティビズムをマサチュセッツ州の例で検討し, これと政党再編成の関係を考察した.
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