研究分担者 |
林 謙作 北海道大学, 文学部, 助教授 (90109405)
那須 孝悌 大阪市立自然史博物館, 主任学芸員 (30110042)
田中 義昭 島根大学, 人文学部, 教授 (70144681)
加藤 芳朗 静岡大学, 農学部, 教授 (70022051)
小野 昭 新潟大学, 人文学部, 助教授 (70000502)
宮武 頼夫 大阪市立自然史博物館, 主任学芸員 (40110035)
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研究概要 |
総合研究最終年であるので, 昭和60・61年度の調査で収集した資・試料の整理・分析をすすめ, 各分担者の結果報告執筆予定に従って, それぞれの分野での作業を進めた. 3年次にわたる調査で, 各遺跡に関して中心的役割を果したのは下記のとおりである. 新潟県薬師堂遺跡=小野 昭 ・ 山形県押出遺跡 =加藤 稔 岩手県九年橋遺跡=林 謙作 ・ 島根県矢野遺跡 =田中義昭 以上, 本総合研究が主としてとりくんだ4遺跡のうち, 矢野を除く3遺跡の採集資・試料中, 自然科学関係の分析・検査などは, 下記の分担者が行なった. 粘土鉱物の検査=赤井純治(新潟大学助教授に依託), 砂の粒度・粒形分析=加藤芳朗・土壌サンプルの灼熱減量検査=那須孝悌, 花粉分析=那須孝悌, 昆虫遺体の同定=宮武頼夫 以上の分担で行なった. 以上の諸作業を分担して進め, 研究代表者を媒介とし, 場合によっては研究分担者間で直接に情報を交換しながら結果報告原稿の作製につとめた. その結果として, 総合研究発足の当初に課題として設定した低湿性遺跡を規定する概念については, 本研究のいずれの調査においても確認することができた. さらに, その概念の中に含めうる遺跡の存在することも明らかにすることができた. その他, ヒラー型サンプラーの改良, 砂の粒形検査により, 砂堆積時の環境を確定する基準の見なすし, 土壌の灼熱減量結果から組成の性質を理解する手法など, 考古学分野の遺跡調査に普遍的に, また容易に有効性を発揮しうるような自然科学的手法についても明らかにすることができた.
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