配分額 *注記 |
9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1985年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
この総合的研究での成果は, 以下の通りである. 1.関西中央部における言語体系, 言語運用の変容の記述(1)京都市における日常の伝統的あいさつ表現の諸相をその変遷も含めて詳細に記述した. (2)大阪市における言語使用, 特に最も大阪弁らしさを示す形式「ヤンカ」の運用実態を解明した. (3)関西圏における, 商店街とか通りの名などの通称地名の名づけ方の実態と, その主な型の分布状況を明らかにした. 2.関西方言の話し手及び関西の若年層における言語意識と言語運用の実態の把握(1)関東(東京及びその周辺)に移住した大阪方言話者を探し出し, 彼らの言語意識と大阪方言の使用度・理解度の実態を明らかにした. (2)関西中央部の若年層(800名)を対象にアンケート調査を実施し, 新方言の使用状況と言語変化のメカニズムを解明した. 3.関西中央部の言語勢力の周辺地域への波及状況の追究(1)神戸-神奈川間, 京都-豊岡間, 及び御所-新宮間においてグロットグラム(地域差と年齢差)調査を実施し, 関西中央部のことばの周辺への波及の状況を明らかにした. (2)兵庫と鳥取・岡山県境, 滋賀と岐阜県境, 及び三重と愛知県境において言語地理学的調査を実施し, 関西における地域共通語の伝播の状況を追究した. なお, この成果の概要は, 報告書『関西方言の動態に関する社会言語学的研究』(徳川宗賢編)として出版した(昭和63年3月).
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