研究課題/領域番号 |
60301070
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
稲子 恒夫 名大, 法学部, 教授 (50022413)
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研究分担者 |
早川 弘道 早稲田大学, 法学部, 教授 (20063802)
大川 睦夫 名古屋大学, 教養部, 教授 (20036669)
新美 治一 福島大学, 経済学部, 教授 (20022428)
小森田 秋夫 北海道大学, 法学部, 教授 (30103906)
藤田 勇 神奈川大学, 法学部, 教授 (00012998)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1986年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ソ連 / 東欧 / 社会主義 / 憲法 / 政治システム / 国家 / 組織 / 集団 |
研究概要 |
本研究の参加者は、社会主義と個人の自由という視角から社会主義国の法を研究し、その成果は藤田勇編『社会主義と自由』として公表された。この研究のなかで社会主義と個人の自由の問題は、国家、組織、集団、個人という多元的な要素のなかで検討されることが必要であることが判明した。 こうした観点から、予備的な考察として、ブルジョア社会の古典的理論で政治社会における市民と市民社会における人間という概念が成立したこと、その後の社会発展のなかで、国家と個人の中間項であるさまざまな団体への関心が高まったこと、社会主義の革命のなかでこのような団体への関心がもたれ、この主題についての論争が起ったこと、一九三六年ソ連憲法には、このような集団に対する関心が薄いことなどを確認した。 このような予備的考察にもとづき、社会主義の各国の分析、また、この研究会の中間段階でのソ連の政治改革の動向などにつき分析を進めた。この結果、ソ連と対照されるユーゴスラビアの自主管理社会主義においては、個人を自主管理的な組織の一員としてとらえる国家メカニズムを作り出しており社会における組織のはたす役割への注目がみられること、ソ連についていえば、とくに一九七七年憲法は、政治シスチムという章を設けており、政党・社会団体、生産単位の労働集団など、社会の諸組織が果たす役割についての規定をおいており、全体として社会主義憲法において社会の諸組織、集団について関心が高まっていることが確認された。 こうした動向は、本研究会の中間段階で行なわれたソ連共産党第二七回大会にみられるような現代社会主義の改革論と結びついている思われる。本研究は、研究対象の広さ等から、中間段階にあるが、ソ連を始めとする社会主義国の改革の中で、組織、集団がどのような地位を機能をもつかを明らかにすることが今後の課題である。
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