研究課題/領域番号 |
60301079
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
一般理論
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮 隆太郎 東大, 経済学部, 教授 (30012107)
|
研究分担者 |
伊藤 元重 東京大学, 経済学部, 助教授 (10128564)
岩井 克人 東京大学, 経済学部, 助教授 (00143355)
藤原 正寛 東京大学, 経済学部, 助教授 (40114988)
鈴村 興太郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (00017550)
植草 益 東京大学, 経済学部, 教授 (70107481)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
1986年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1985年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
|
キーワード | 産業政策 / 技術政策 / 貿易政策 / ゲームの理論 / 産業組織論 / 不均衡分析 / 企業理論 |
研究概要 |
本研究の目的は、近年の急激な社会変化に対応するため、産業・技術・貿易という三つの分野を取り上げ、それらについて新たな経済理論の枠組を作り出すとともに、ありうべき経済政策像を探ることにあった。 1.産業政策の分野においては、戦後日本の産業政策の推移を実証的および理論的に展望した後、ゲームの理論や新産業組織論の手法を用いて、産業育成政策の理論化や、規模の経済が存在する産業における過当競争の可能性の証明、寡占企業間の情報交換の過程の分析や、産業調整をめぐる政府と民間のゲーム的状況についてのモデル構築等を行った。また、日本企業と中国企業の比較分析や日本の電気通信産業のケーススタディもおこなった。これにより、従来理論的な分析がほとんどなされてこなかった産業政策というものに新たな理論的基礎づけを与えることが可能になった。 2.技術政策の分野に関しては、日本の技術政策についての実証的な展望の後、不均衡分析の手法を用いて技術革新および技術模倣と産業の動態的構造の関連を分析し、ゲームの理論を用いて企業間の研究開発競争において模倣のはたす役割等を考察した。これによって、技術開発に関する企業行動と産業構造との関係が明らかになり、従来経済学の範疇外にあった技術政策の分析のための新たな理論的枠組が与えられることになった。 3.貿易政策の分野においては、戦後日本の貿易の歴史的変化とそれに対する貿易政策の影響を展望した後、一国の貿易政策というコンテクトとの中で、産業調整やそれに伴う雇用の問題、産業構造の変化に対する対応、寡占産業における戦略的政策の問題等を、新産業組織論及びゲームの理論の手法を用いて分析した。これらの研究は、産業構造の高度化という現象を貿易政策の立場から理論化しうる枠組を提供することに成功し、単なる貿易政策にとどまらない広範な応用も可能になった。
|