研究課題/領域番号 |
60301090
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
篠塚 信義 東北大, 経済学部, 教授 (60000577)
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研究分担者 |
斎藤 修 一橘大学, 経済研究所, 助教授 (40051867)
松尾 太郎 法政大学, 経済学部, 教授 (70061108)
柳沢 治 東京都立大学, 経済学部, 教授 (00062159)
佐村 明知 大阪大学, 経済学部, 講師 (80127232)
安元 稔 桃山大学, 経済学部, 教授 (00067860)
MATSUO T. IRELAND-IN RELATION TO SOCIAL STRUCTURE
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 農村工業 / プロト工業化 / フランドル・モデル / 人口圧力 / 貧困 / 共同地 / 領主権 / 共同体規制 / 都市化 / 交易条件 / 結婚率 / 出生率 / 金属加工業 |
研究概要 |
昭和61年度は、二回の研究集会を開催し、主としてイギリスの工業化問題の解明に精力を注ぎ、ドイツについても問題を深めることができた。 イギリスについては、農村工業が展開する地域はいかなる特質を有しているかという点、ならびに農村工業と都市工業との関連が解明された。第一の点については、人口圧ないし貧困化は農村工業展開の条件としてはあまり重視できないことが明らかにされつつある。農村工業が発展する地域の特徴としては、(1)人々が自由に入植できる共同地や荒蕪地が豊かに存在していることの他に、(2)人口流入や共同地への入植を阻止するような領主権が欠如していること、(3)農民自身も考同体規制等により阻止することがない、等の条件を具えていることが判った。第二の点については、イギリスでは農村工業の発展は同時に都市人口の増大、ならびに都市における工業化の著しい発展が判っていたこと、こうした点は他のヨーロッパ諸地域とは異った特徴があること、等が解明された。こうした点の他に、イギリスの農村工業は当初から、ロンドン及び海外市場における需要と結びついていることが改めて確認された。 ドイツについては、金属加工業が発展した、ウェストファーレン州ハーゲン郡について、フランドル・モデルがどの程度妥当するかが検討され、工業製品と食糧価格との交易条件の変化は、結婚率ないし出生率に対し殆ど影響を与えていないことが明らかにされた。今後の問題として、工業製品の価格を、大鎌や藁切包丁の代りに、釘や針金をとったとき、どのような結果が得られるか、また時期を18世紀まで溯って検討したら、どのような結果が得られるか等が指摘された。
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