研究分担者 |
安田 義郎 久留米大学, 商学部, 講師
立石 義明 青山学院大学, 経営学部, 助教授 (00150392)
水野 博志 福岡大学, 商学部, 教授 (90131846)
上領 英之 広島修道大学, 商学部, 教授 (00140632)
村松 司叙 成蹊大学, 経済学部, 教授 (60054300)
岡部 鐵男 九州大学, 経済学部, 助教授 (10127996)
|
配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
研究概要 |
伝統的資本構成論が, 資本市場の均衡過程を無視して理論を構成してきた欠陥は, MM理論及び資本資産評価理論(CAPM)によって, あますところなく暴露された. しかし他方, 資本市場の完全性に基礎を置く均衡分析は, その理論展開の必然的結果として, 資本構成無意味論に到達し, 現実の資本構成問題を説明する意図も能力も遂に失ってしまった. かかる理論の抽象的明晰さと現実とのギャップを埋めるための理論的, 実証的研究が, われわれの研究目的である. そのために資本構成を規定すると想定される諸要因-法人税, 破産コスト, エイジェンシー・コスト, 個人所得税, 富の収奪問題, インフレーション等々-を個別的又は相互関連的に, 資本構成理論の枠組みの中に明示的に導入し, 理論的・実証的に検討した. さらに市価基準のみならず簿価基準による分析をも試み, 市価と簿価との相互関係の検討をも行った. 実証研究と理論研究との相互照合は, 一方で理論研究の深化と展開を, 他方で実証研究の方法論や分析の枠組みの構築を可能にする. 資本構成問題に関する総合的・現実的理論の確立を指向する. われわれの研究は, 当初計画していた研究のうちで(1)エイジェンシー・コスト問題, (2)オプション・プライシング・モデル(OPM)などの堀り下げについて不満が残るが, それ以外の点では, 所期以上の成果をあげることができた. それは研究発表一覧表を見ても明らかである. しかもさらに研究成果が連鎖的に生み出されてくる可能性を多分に秘めている. 資本構成に関するかかる接近方法が, いかに広範な現実世界の諸領域をその射程内に取り込み, 豊饒な成果を約束するかは, われわれの研究が多くの成果を達成したにもかかわらず, まだ未完成な多くの研究課題を残しているのをみても明らかである.
|