研究分担者 |
高橋 信雄 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (70132719)
菅井 勝雄 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (40000294)
成田 滋 国立特殊教育総合研究所, 教育工学研究部, 研究室長 (10172587)
今井 秀雄 国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 研究部長 (30000285)
木塚 泰弘 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 研究部長 (90000265)
岡本 敏雄 東京学芸大学, 助教授 (60125094)
宮崎 直男 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 部長 (20150055)
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研究概要 |
本研究においては, 主として, 視覚障害児, 聴覚言障害児, 精神薄弱児を対象とした. まず, 視覚障害児のうちでも, 特に有効視野の狭い弱視児に対するコンピュータ利用の教育として, 大きな液晶表示をもつワープロシステムの活用を「読み」と「書き」の問題を中心に取上げた. 学習漢字の使用頻度等の分析の基礎データをふまえた上で, ワープロによる弱視児のための漢字教育の効用についてそのいくつかの利点を検討した. その結果, 遠距離・近距離視力の0.1程度以上の児童・生徒については現行のワープロシステムも一定の効果のあることが判明した. 聴覚言語障害児については, 一つには視覚表示方式による言語訓練装置である「パラトグラム・システム」のコンピュータ駆動による訓練効果について, 一定の学習ソフトプログラムの開発とその利用による成果を実証的に裏づけた. 同システムでは, 舌接触パターン, 音声の強さ, 音声のピッチ, 母音のスペクトル, 声帯振動, 有声・無声, 呼気流, 破裂性, 摩擦性, 鼻音声の10ケの指標を各種の付加センサーにより, ほぼ同時に被検者と教師にフィードバック可能なところに一つの重要な特徴がある. これに関連した独自の聴覚・言語訓練プログラムもいくつか本研究において開発された. 一方, ろう児らに, 特殊警報音を視覚的に認知させるためのコンピュータ利用の表示方式の開発や, 言語障害児の発音・発語を「マイコン」のためのディスプレー上で, 一種のゲーム的要素を持ちながら訓練させる学習ソフトのBASICプログラム開発も実施した. 精神薄弱児の教育指導に関しては, 数量や時刻読みなどの概念形成学習への「マイコン」利用が中心となった. 色彩弁別や推理力などの要素も加味した. また独自に工夫した学習プログラムのファイルを約30種ほど開発し, その有効性を検証した. この学習のシステムでは, 学習者への応答性につき人工知能の知見の導入と付加を図った.
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