研究課題/領域番号 |
60302004
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
黒田 正 東北大, 理学部, 教授 (40004238)
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研究分担者 |
藤本 坦孝 金沢大学, 理学部, 教授 (60023595)
池上 輝男 大阪市立大学, 理学部, 教授 (90046889)
吹田 信之 東京工業大学, 理学部, 教授 (90016022)
松本 幾久二 名古屋大学, 教養部, 教授 (90023522)
谷口 雅彦 京都大学, 理学部, 助教授 (50108974)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1986年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1985年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 代数型函数 / ダグラス代数 / ポテンシャル / カラテオドリ双曲多様体 / ドゥアディ空間 / ベルグマン計量 |
研究概要 |
本研究は古典解析としての複素解析および近代解析に関連する複素解析の諸理論の発展と深化を試み、同時に複素解析を論ずる場としての多様体の性質の研究ならびにそれら多様体の上での複素解析の種々の理論の進展を目的とした。その成果の概要を以下に述べる。 多様体の解析写像の挙動を調べる問題に関しては代数型函数のリーマン面の間の解析写像について従来知られていた事実から一歩進んだ結果がえられた。多様体の解析同型写像をめぐる基本的諸問題については有界函数のダグラス代数をかなり明確に把握することに成功し、円外単葉函数族に関する係数問題を解決することができた。また種々の多様体の上に定められる諸種のポテンシャルの多面的研究においては、拡散対数型核について合成核、ハント核に類似の性質が成り立つことを明らかにしかつその種の核がレゾルベント核となるための条件をうることができた。さらに離散的変換群が作用している双曲空間のその群による商空間としてえられる多様体の研究においては、サーストン・ベアスの正則自己同型の分類の新しい解釈に成功し、また閉リーマン面から二次元閉カラテオドリ双曲多様体への写像のなすドゥアディ空間の構造の解析に見るべき成果を挙げることができた。多変数解析函数および高次元解析多様体についての諸問題の研究では、ベルグマン計量の曲率作用素の固有値を用いることによる対称領域の特性付けがなされ、またn次元複素射影空間への有理型写像の有限性をうることに成功したほか、二次元複素射影空間での代数曲線の補集合の自己同型写像を調べることによる【C^*】型有理函数の完全な決定等の成果がえられた。 これらの成果は複素解析の総合的見地からのかなり深い結果であって、今後のこの分野の研究への新たな視点を与えるものにもなっている。
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