研究分担者 |
小林 晨作 京都大学, 理学部, 教授 (80013465)
西村 奎吾 東京大学, 原子核研究所, 教授 (20025258)
谷藤 悃 法政大学, 教養部, 教授 (30060974)
久保 謙一 東京都立大学, 理学部, 教授 (50013389)
大沼 甫 東京工業大学, 理学部, 教授 (00011544)
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研究概要 |
本総合研究で得られた研究は、昭和60年8月に大阪で開催された第6回原子核偏極現象国際会議および昭和62年1月の研究会で報告された。 偏極陽子の重水素による弾性散乱における減偏極【K_y】y'は、テンソルカを含むN-N相互作用を用いた計算でよく再現できる。減偏極はスピン-スピン相互作用に敏感である。【^(31)P】(陽子奇核)と【^(29)Si】(中性子奇核)による陽子の弾性散乱を測定し、その解析からスピン・スピン相互作用のスカラーおよびテンソル項を求めた。 (【→!P】2P)反応の解析から、有効N-N相互作用,媒質効果,非平面散乱,相対論的取扱に関する情報が得られた。 偏極重陽子の散乱は中重核と重核で実験的に研究され、重陽子の折りたたみ模型とD状熊や分解過程を取り入れたチャネル結合法による理論的研究がすすめられた。 実験からの要請により、N-N散乱のスピンパラメータ記法の比較表および(d,p)反応における偏極移行を含む偏極量の関係がまとめられた。 (【→!d】,【^6Li】)反応のベクトル分解能のDWBA解析によると、重陽子スピン軌道力の効果が重要である。(【→!p】,【→!n】)反応や(【→!d】,px)反応における偏極移行係数、スピン反転荷電交換の(【→!d】,【^2He】)反応・(【→!d】,〓)反応での単一項重陽子(〓)のスピン依存量も測定された。 (【π^+】,【K^+】),(【K^-】,【π^-】)反応で得られるハイパー核では偏極や整列がかなり存在し、ハイパー核の電磁気転移・電磁気能率・弱崩壊の分光学的研究に使用可能となった。 スピン依存相互作用に関して、明確な概念を発展させ、基本的に重要な問題を求めるには、熟考と努力を必要とする。
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