研究分担者 |
高浜 信行 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (20018948)
小井土 由光 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (60101424)
山内 靖喜 島根大学, 理学部, 助教授 (70032612)
小室 裕明 (小室 祐明) 島根大学, 理学部, 助手 (80135897)
雁沢 好博 北海道教育大学, 教育学部, 助手 (40161400)
村上 允英 山口大学, 教養部, 教授 (50035127)
|
研究概要 |
次にのべるような成果をえた. A 白亜紀〜古第三紀の陥没には多くの隆起-陥没と陥没カルデラの2つのタイプのものが発見された. また, 新第三紀・中新世の陥没のほとんどは, 隆起-陥没型のものであることがわかった. そして, 新第三紀・鮮新世〜第四紀の陥没は, 従来, 隆起-陥没型のものが少ないとされていたが, 第四紀の, いわゆる陥没カルデラ型のものは, あとでのべるように多くのものは隆起-陥没型となる可能性が強くなった. 上記の2つのタイプの陥没のちがいは本総研の過程で次のようなことから次第に明らかになってきた. (1)白亜紀〜古第三紀や中新世の, いわゆる陥没カルデラ型のものにあっては, すべてその輪郭は円〜楕円形で, しかも, 内部の地層は中央がおちこんだような形態をしている. これに反し, 隆起-陥没型のものの輪郭は必ず多角形で, 内部の地層はすべて低傾斜をなしていることがわかってきた(藤田). (2)モデル実験(小室)によると, 下方への沈みこみに伴って上方に円形の陥没構造が生じ, 上方へのつき上げによって, 上方に多角形の陥没構造が生じることが明らかにされ, (1)の事実がうまく説明された. (3)北海道における洞爺・窟斜路・赤井川などの, いわゆる陥没カルデラは, ボーリング資料によると, カルデラ内に淡水性の地層が平らにたまっていて, 1部の輪郭が多角形を呈すること, などから, 隆起-陥没のタイプと考えられること, また衛星画像解析によると, 日本列島各地の, いわゆる陥没カルデラの形態がほとんど多角形をなしていて, 前記のように, それは隆起-陥没型のものであろうことが推定されるのである. B 異なる2つのタイプの陥没は, 白亜紀〜古第三紀には, 重なって発達するものが多く, 中新世にもごくわずかながらみられる. 第四紀のものは今後検討すべき課題であるが非常に少ない.
|