研究課題/領域番号 |
60302032
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
西村 祐二郎 山口大, 教養部, 教授 (20034712)
|
研究分担者 |
磯崎 行雄 山口大学, 理学部, 助手 (90144914)
武田 賢治 山口大学, 教育学部, 助教授 (50155008)
原 郁夫 広島大学, 理学部, 教授 (50033824)
濡木 輝一 岡山大学, 教養部, 教授 (10033820)
橋本 光男 茨城大学, 理学部, 教授 (40000103)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1986年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1985年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | 西南日本内帯 / 高圧変成帯 / 三郡変成帯 / 放射年代 / デイスメンバード・オフィオライト / パイル・ナップ構造 / 蛇紋岩メランジ / テクトニック・フレイムワーク |
研究概要 |
三郡変成帯は先ジュラ紀の一つの大きな藍閃変成域であり、低圧型の飛騨変成帯と対をなすものと、長い間考えられてきた。しかし、本総研の地球年代学的・地体構造論的研究によって、"三郡変成帯"は形成条件を異にする三つの地質単元からなることが、明らかにされてきた。以下に要約する。 1) 約300Ma(石炭紀)グループ=北部地域:この地域は"三郡変成帯"の最北端部(鳥取県若桜・長門構造帯・福岡県若宮)に限定され、飛騨外縁帯の西方延長に相当する。各分布域は断層や衝上断層によって周囲の地質体から隔離され、さらにデスメンバード・オフィオライトとしての蛇紋岩、変斑れい岩及び変花崗岩を多産する。これらのオフィオライト様岩石の放射年代は470〜380Maを示し、飛騨外縁帯の同種の岩石類の年代と符号する。 2)約220Ma(トリアス紀)グループ=西部地域:このグループは"三郡変成帯"西部地域(北九州から山口県)に分布する。錦町地域では、弱変成古生層中の酸生疑灰岩のK-Ar全岩年代も約220Maを示し、"三郡泥質片岩"のRb-Sr年代に一致する。この酸性凝灰岩と周囲の珪質泥岩はペルム紀放散虫化石(約255Ma)を産する。以上のこのことから、220Maは西部地域の藍閃変成作用の終結年代を意味すると考えられる。これは"三郡変成岩類"が上部トリアス系美祢層群によって不整合に覆われるという証拠と予盾しない。。 3)約180Ma(ジュラ紀)グループ=東部地域:若い年代値は"三郡変成帯"の東部地域(鳥取・岡山・島根県)に広がっている。西部地域に比べて当地域には、珪質変成岩が多産し、丹波層群相当層のフェンスターがしばしば認められる。最近、用瀬地域の珪質変成岩からトリアス紀コノドントとジュラ紀型放散虫化石が発見された。これらのことは、東部地域の"三群変成岩類"が堆積年代ばかりでなく変成年代においても、西部地域のものとは異なり、より若いことを示唆している。
|