研究概要 |
2ケ年間にわたる本研究の成果は、各分担課題別に要約すれば次のとおりである。 分担課題1:機械構造の数値解析法とその設計への応用研究 北川は構造数値解析法の設計支援技術とその限界について考察しており、尾田,田中は有限要素法や境界要素法などの実用的数値解析手段の開発をFRP構造や構造/音響連成問題に対して行なっている。また瀬口は構造の非線形挙動解析手法をいかにコンピュータによって有効に行なうかという手法について考究している。 分担課題2:破壊力学の構造設計への応用研究 城野は構造物の疲労破壊に関する余寿命評価法に関連した研究を実施しており、井上は温度,応力,材料組織の3つが連成する構造挙動問題の解析手法を考案した。また富田は塑性加工用工具設計に関連して加工エネルギを最小化する特異な手法を開発した。さらに木田は衝撃負荷を受ける曲げ部材の破壊開始条件を考察した。 分担課題3:機械構造設計の最適化手法の研究 尾田,山崎,鶴崎は構造形状パラメータを設計変数とし、その構造の重量を最小化したり、平等強さの形状を求めるような設計手法の開発を試みた。一方、室津,岩壺は設計変数としては同様であるが、それらに動的および信頼性の概念を導入した手法の開発を試みた。さらに三木は材料組織パラメータを設計変数とする最適化手法の開発を特にFRP構造を対象として開発した。 分担課題4:設計最適化のためのコンピュータシステムの研究 汎用最適設計用プログラムの開発を目的として、構造物の再解析および感度解析の具体的手法の開発とそのプログラム化が尾田,山崎により行なわれた。また三木,中易らにより複合材料を用いた構造設計のためのデータベース作りが行なわれた。
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