研究分担者 |
中島 晃 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (60039295)
兼田 もと宏 九州工業大学, 工学部, 教授 (90039123)
浦 晟 長崎大学, 工学部, 教授 (40037825)
村上 輝夫 九州大学, 工学部, 助教授 (90091347)
山本 雄二 九州大学, 工学部, 教授 (10037997)
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研究概要 |
接触面疲れ破損の発生機構を解明するため、二円筒試験,三次元転がり接触試験,歯車試験,フレッティング試験,繰り返し圧縮試験を行った。まず、二円筒試験によってピッチング,マイクロピッチング,スポーリングの発生条件を調べ、表面粗さの突起間干渉がその主要因子であることを確認した。とくに、二つの円筒を駆動する歯数比によってきまる突起間干渉頻度によりなじみ状態が異なり、これが突起間干渉状態の厳しさと転がり疲れの発生を支配すること、突起間干渉状態の厳しい条件下での焼入合金鋼の転がり疲れ限界は、なじみによる油膜形成が起こる限界の接触応力によって定まり、また高硬度浸炭材のマイクロピッチングの発生も油膜が形成され得る程度になじみの起こる限界の表面粗さの大きさにより左右されることが明らかとなったフレッティング試験では、円筒と平面の二次元接触よりも球面と平面の三次元接触のほうがフレッティング疲れが発生しやすいことから、接触域外縁に発生する引張応力が現象を支配していることが推測され、接触面疲れに対し接線力はこの引張応力を助長し、疲れ破損の発生を容易にすることが明らかとなった。三次元転がり接触や繰り返し圧縮試験におけるき裂発生もマクロあるいはミクロの三次元接触による引張応力によってよく説明できた。固体潤滑剤入ギャ油を用いた歯車試験,繰り返し圧縮試験では、固体潤滑剤が接触面に狭まれ応力集中源となるいわゆる粒子性の影響がみられ、微小粒子も表面粗さ同様接触面疲れの主原因になりうることが明らかとなった。破壊力学による検討により、線接触,点接触,フレッティング応力場など各種条件下でのき裂の進展が理論的に予測できた。とくに、転がり疲れにおけるき裂円への油の浸入・閉じ込めがき裂進展の主要因子であることがわかった。さらに、三次元的に測定した粗さ曲線の相互相関によりなじみ状態と突起間干渉状態を評価する方法を提案した。
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