研究課題/領域番号 |
60302053
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
船舶構造・建造
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
辻 勇 九大, 工学部, 教授 (80037697)
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研究分担者 |
豊貞 雅宏 九州大学, 工学部, 助教授 (30188817)
清水 茂俊 山口大学, 工学部, 元教授 (20038532)
野本 敏治 東京大学, 工学部, 教授 (80011170)
福地 信義 九州大学, 工学部, 教授 (80039677)
広渡 智雪 広島大学, 工学部, 教授 (10144875)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1986年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1985年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | TMCP型50キロ級高張力鋼 / 高温割れ特性 / 境界要素法による熱弾塑性解析 / 溶接継手の軟化 / 溶接継手の疲労強度 / 表面切欠材の靭性評価法 / 防撓板の最終強度 / 船体振動解析 |
研究概要 |
新制御圧延型50キロ級高張力鋼の優れた特質を活用して合理的な船体構造の設計ならびに工作を行うために、新鋼材の高温割れ感受性ならびに溶接継手の高温割れの生成機構,溶接継手の疲労強度特性,表面欠陥を有する材の靭性評価法,薄肉化する船体構造の防振および防撓設計上の諸問題について実験ならびに理論解析による検討を行い、以下のような研究成果を得た。 (1) 加速冷却型の3種の新鋼材についてバレストレイン試験を行って高温割れ感受性を調査した結果、それらは従来の船殻用鋼材とほぼ同等であることが判明した。突合せ溶接継手の初層溶接時に生ずる高温割れの生成機構を解明するために、境界要素法による熱弾塑性応力解析プログラムを新たに開発し、その有用性を検証するとともにこれを用いて突合せ溶接継手の初層溶接時の変位挙動を詳細に解析し、高温割れの生成機構について重要な知見を得た。 (2) 新鋼材の大入熱溶接継手の余盛りを削除した試験片について疲労試験を実施した結果、溶接熱影響により生じる軟化域が継手の疲労強度に及ぼす影響は少ないことが判明した。 (3) 溶接継手部などに生じる表面き裂のCTOD値をDUGDALEモデルと回転中心モデルに組み合せて評価する方法の妥当性を検証した。 (4) 高張力鋼の広範囲な使用が大型バルクキャリアの振動特性に及ぼす影響を解析するために、主船体,船底部およびトップサイドタンクの3つの構造部分の連成振動として取扱う解析法を明らかにし、モデル実験により解析法の妥当性を検証した。 (5) 外圧を受ける防撓曲面板が崩壊するまでの挙動を精度良く評価できる新しい解析法を開発し、初期曲率や降伏値とたわみ挙動の関係,曲面板の抗力機構,防撓材による補強効果などについて新しい知見を得た。 (6) 溶接継手に生じる軟化域が船体構造要素の圧縮強度に及ぼす影響を実験と理論解析によって検討し、強度低下率の推測を可能にした。
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