研究分担者 |
綱島 滋 東京工業大学, 理学部, 教授 (20016108)
小尾 欣一 東京工業大学, 理学部, 教授 (10016090)
梶本 興亜 東京大学, 教養学部, 助教授 (30029483)
近藤 保 東京大学, 理学部, 助教授 (10011610)
秋元 肇 国立公害研究所, 室長 (50101043)
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配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1986年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1985年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
この総合研究班は素反応の研究において現在もっとも活発な研究を行っている研究者が情報交換できる機会を持てるようにするために作られた研究班である. この分野における現在の最大の課題は, 化学反応が起る際の遷移状態についての情報をどのように集めるかにある. 班員はそれぞれ特長ある実験的および理論的手法を持っているので, その都度グループをつくり, 連絡をとり合って, 別に提出した報告書に示したような大きな成果を揚げることができた. 以下その成果の概要を述べる. 交叉分子線法を用いた正畠・宗像のグループでは, 我が国における交差分子線法の確立をこの3年で行った. 励起原子や電子線の衝突を利用して素反応を研究している近藤・綱島・辻のグループでは, 次々に新しい反応を調べ上げ, 欧米の研究と先を争っている. ラジカル反応を調べている小尾・幸田のグループは酸素原子の反応に関し, 新しい知見を得て話題を集めている. 芽・梶本の班では, 各種の水銀原子クラスターとN_2Oの二量体について半反応の手法を確立し, この分野をリードしている. また秋元は固体酸素中において各種炭化水素ラジカルの反応を調べ, 光酸化反応の遷移状態研究に新しい方法を提出した. イオン・分子反応の遷移状態を追求している小谷野らはCH_4^++CH_4→CH_5++CH_3などの反応について詳細な研究を行い, 世界の注目を集めている. また桑田らは分子配向衝突装置を完成, 話題になりつつある. 理論グループである笛野は, NHラジカル反応の全体像を完成, 加藤は無輻射遷移の機構について新しい取り扱いを提出した. また佐藤はトンネル効果について新しい知見をえ, 新理論への手掛りを示した. この研究班の成果は, 我が国における素反応研究のマイルストーンになると信ずる.
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