研究分担者 |
菅 隆幸 広島大学, 理学部, 教授 (00033811)
大野 惇吉 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70027077)
後藤 俊夫 名古屋大学, 農学部, 教授 (20023369)
伊東 〓 (伊東 椒) 東北大学, 理学部, 教授 (00004242)
正宗 直 北海道大学, 理学部, 教授 (60000717)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1985年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
本研究は, さまざまな生物が作る多彩な天然有機化合物の代謝や生合成の機構を広い立場から追求し, 生体が営むみごとな合成反応のしくみを解明するとともに, さらにその成果を踏まえた応用的展開をはかることを目指して行われた. そのために, 有機化学と生物化学ならびにその境界領域にあって天然物化学の新展開に意欲的な研究者が協力して, 以下の成果をあげた. 1.イソプレノイドの代謝と生合成機構(1)ジャガイモのファイアレキシンであるリシチンの生合成経路を明らかにし, かつ, その生成を誘導する内因性因子が過酸化水素であることを見いだした. (2)長鎖プレニルトランスフェラーゼによる反応の絶対立体化学を決定するとともに, この酵素の機能発現に必須の因子を明らかにした. (3)プレニルトランスフェラーゼの基質特異性を調べ, 不斉合成に応用できる酵素反応を見いだした. (4)細菌からはじめてスクワレン合成酵素を分離した. また, スクワレン生合成の動的中間体の存在を示す新酵素反応生成物を見いだした. (5)カイコ蛹卵巣からエクダイステロイド代謝物として, リン酸エステル誘導体を見いだした. 2.海洋生物の代謝物の研究 (1)海藻から生合成的に興味深い一連のプレニルフェノール類を分離した. (2)パリトキシンの生合成研究に必須な藻の単離と培養を行った. (3)ウミホタルからルシフェリン由来の色素とルシフェラーゼの複合体を分離した. 3.生合成型有機反応とその応用 (1)補酵素モデルを用いる高選択的還元反応を見いだした. (2)カイニン酸の生合型合成を行った. (3)ベイユノールの合成を行った. (4)酵母による還元でキラルシントンを合成した. その他, 担子菌やスナネズミの代謝物についても構造決定を行った. また, 生合成研究に有用な有機合成化学反応が開発された.
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