研究分担者 |
松村 功啓 京都大学, 工学部, 助教授 (60026309)
村上 幸人 九州大学, 工学部, 教授 (30037717)
山村 庄亮 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (40076708)
長 哲郎 東北大学, 薬学部, 教授 (10010753)
杉野目 浩 北海道大学, 工学部, 教授 (00000779)
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研究概要 |
電子が直接反応に関与する反応、即ち電子移動過程を包含する反応は通常の化学反応とは異なった種々の興味深い特色を有している。本研究では、電子移動の手段として電極反応、金属,光等を用いて新しい形式の電子移動型有機反応を開発することを目的として研究を行った。本研究の成果は次の様にまとめられる。 1.電極反応を電子移動の手段として用いたβ-ラクタム,バスタジン-6,ピヘラジノマイシンの合成,テルペノイド配糖体の化学変換,新しいアシルアニオン等価体の合成,特異な活性を有する塩基の生成に成功した。 2.電気化学的に生成したスーパーオキシドイオンを用いたオレフィンのエポキシ化,窒素ラジカルの生成及びその立体選択的分子内付加,不斉修飾電極による不斉還元,電極酸化により生成するハロニウムイオンをメディエータに用いたアルコールの酸化に成功した。 3.ビタミン【B_(12)】の電極反応を用いた炭素骨格組替え反応ZnO電極を用いたアルコールの酸化を行った。 4.金属を電子移動の手段に用いた反応として,Pdによる立体選択的アリル化オレフィンへの二官能基付加,CoによるアルデヒドへのCo挿入反応。 5.光励起電子移動を用いた核酸修飾,ケイ素化合物のα-結合切断,ポルフィリン(Pd)錯体の酸化還元電位測定に成功した。 6.半導体電極を用いたアルコール類の酸化,さらにα-ケトカチオンによる閉殼有機分子の一電子酸化,ベンズピナコロンのジアロイルパーオキシドによる酸化分裂における酸の影響等の種々の有用な知見が数多く得られた。
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