研究分担者 |
吉永 長則 愛媛大学, 農学部, 教授 (20036289)
和田 光史 九州大学, 農学部, 教授 (90038159)
庄子 貞雄 東北大学, 農学部, 教授 (10005605)
高田 秀夫 鳥取大学, 農学部, 教授 (90032086)
加藤 芳朗 静岡大学, 農学部, 教授 (70022051)
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研究概要 |
本研究は,日本の黒ボク土(火山灰土)の第一線研究者による黒ボク土の特徴の解明とその国際的対比を目的としている. 1.本年度は,昭和60,61両年度にわたり現地調査および分析を行った結果の総合的な成果検討会を分担者全員の参加により,7月17,18の2日間,茨城県つくば市の農業環境技術研究所において行った. 2.その結果,60年度の鳥取・島根両県の黒ボク土については,(1)母材が珪長質のため他地域と異なる化学性と粘土鉱物組成をもつこと. (2)堆積年代の極めて古い火山灰を母材とした土壌は黒ボク土とは認められない諸性質を示すことが明らかとなった. 3.61年度の長野県の高標高多雪地域の黒ボク土は,(1)その気候条件を反映して有機物組成や粘土鉱物組成がやや異なること,(2)堆積年代の新しい黒ボク土の諸特性が明らかになったことなどの諸点が認められた. 4.黒ボク土の肥沃性については,当初予定した研究費の削減により研究計画の実施から除外したが,この点については本研究参加者による問題提起と若干の論議のみに終った. 5.本研究の成果検討会に引続いて, 7月20日〜8月1日にわたり筑波・仙台・札幌で行われた第9回国際土壌分類ワークショップには,本研究分担者のほとんどが何等かの形で参加し,これまでに本研究と密接に関連して行われた文部省科学研究費総合研究(A)(昭和55年度,代表者静岡大農,加藤芳朗,昭和56〜57年度,代表者九州大農,和田光史)および試験研究(昭和56年度,代表者愛媛大農,吉永長則)の成果をも含めてえられた日本の黒ボク土についての総括的な研究発表を9編(第一著者のみ)行い,日本の黒ボク土の国際的な対比について討議を深めた.
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