研究分担者 |
西村 行正 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (30103055)
駒形 和男 東京大学, 応用微生物学研究所, 教授 (70013331)
佐藤 一精 広島大学, 教育学部, 助教授 (50023487)
山中 健生 東京工業大学, 理学部, 教授 (40028113)
原島 圭二 東京大学, 農学部, 講師 (30011860)
SHIOI Yuzo Associate Professor, Fac. Medicine, Miyazaki Medical College (70094092)
|
配分額 *注記 |
17,300千円 (直接経費: 17,300千円)
1987年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1986年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1985年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
|
研究概要 |
1.分類・分布・性状:現在までに同定された好気性光合成細菌は, 通性メチロトローフ菌と海洋細菌に属し, 前者にはProtomonas属が, 後者にはErythrobacter属が新設された. また, 海洋細菌はすでに同定されている2種の他にかなりの未同定の株が好気性光合成細菌である可能性が示唆された. 2.生化学的特徴 (1)色素:すべてバクテリオクロロフィルaを有し, 紅色光合成細菌と似た光化学反応中心, 集光性バクテリオクロロフィルー蛋白複合体, チトクロームを有していた. 呼吸鎖のチトクロームオキシダーゼはaa_3型であるが, 1個のサブユニットから構成されていた. 含有するカロチノイドのかなりの部分は, 従来の光合成細菌に含まれていない新しいタイプのものであった. (2)酵素:δ-アミノレブリン酸合成酵素やポルフォビリノーゲン合成酵素など, 従来の光合成細菌でのバクテリオクロロフィル生合成経路を触媒する酵素と同一の機能を持つ酵素の存在が証明された. 3.生理学的特徴 (1)生菌又は膜標品は好気的条件下で光合成電子伝達をおこすことが出来, ATPを合成した. しかし嫌気的条件下では光合成反応は起らなかった. これらの事実は, 好気性光合成細菌は嫌気的条件では電子伝達の酸化還元系の調節が不能となることを示唆している. (2)好気性光合成細菌のあるものは, 硝酸塩, トリメチルアミンーN-オキシド存在下では嫌気的にも生育出来, 脱窒をおこなう. しかし嫌気条件下での生育はバクテリオクロロフィルの生合成を伴わない. このことは, 分子状酵素がバクテリオクロロフィル合成系に及ぼす影響が, 従来の光合成細菌の場合と異っていることを示すものである.
|