研究課題/領域番号 |
60304014
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
秋山 雅彦 北海道大学, 理学部, 助教授 (20015580)
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研究分担者 |
冨田 克敏 京都大学, 理学部, 講師 (70025352)
山口 義寛 北海道教育大学, 岩見沢分校, 助教授 (40101323)
佐藤 敏彦 信州大学, 教養部, 教授 (00015546)
小林 巌雄 新潟大学, 理学部, 助教授 (70018266)
落合 広 北海道大学, 理学部, 助教授 (10002122)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 化石化 / 続成変化 / リン酸塩化石 / 炭酸塩化石 / 系統発生 |
研究概要 |
1.地球上で生物が固定してきた有機炭素の総量は1.4〜8.1×【10^(25)】gと推定され、この値は推積岩中に保存されている有機炭素量の【10^3】倍のオーダーである。また、地球上に出現してきた全生物の種数は0.9〜5.7×【10^8】と推定され、この値も既報告の化石種25万種に比べると、【10^3】倍のオーダーとなる。 2.化石化の条件として集積・化石化(狭義)・保存の3つをあげることができる。化石の成因の主条件は集積の項に含まれる個体数の問題にあるが、本総研では化石化(狭義)の項に焦点をあてた。 3.脊椎動物の歯牙組織の鉱物質はハイドロキシアパタイト〔【Ca_5】(【PO_4】【)_3】OH〕である。中性の水溶液中では、この鉱物の溶解度は0.01mg/lと小さく、そのために化石として保存されやすい。氷づけのマンモスゾウの象牙中のコラーゲンは全く分解をうけていない。しかし、ゾウ特有の縞構造は褐色をおびそれは多糖類による変化であることが染色法から推定された。海底から採取された更新世の標本ではコラーゲンの保存はよく、α銷の検出に成行した。光顕・電顕レベルでの微細構造に化石化の過程で大きく変化することはない。ハイドロキシアパタイト結晶のa軸長は時代とともに小さくなるが、F・【CO_3】含有量の変異は化石標本の保存環境の差による。 4.炭酸塩鉱物の代表であるカルサイトの溶解度は純水中で14mg/lであるが、【CO_2】の飽和水では1g/lとなる。その高い溶解度のため、化石化過程での変化が大きい。アラゴナイトからカルサイトへ、カルサイトからシデライトへの進行がゆるやかなときは光顕オーダーでの微細構造が破壊されずに残る。しかし、構造を残していない場合は組織の溶解後に新たな鉱物の充填をうけたことを示している。シデライトによる置換は淡水成層中の貝殻でおこっている。
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