研究分担者 |
田中 明 北海道大学, 農学部, 教授 (30001374)
石井 龍一 東京大学, 農学部, 教授 (00011958)
松本 重男 九州大学, 農学部, 教授 (50108677)
津野 幸人 鳥取大学, 農学部, 教授 (00036287)
武田 友四郎 九州大学, 名誉教授 (70038157)
玖村 敦彦 東京大学, 農学部, 教授 (80011823)
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配分額 *注記 |
23,500千円 (直接経費: 23,500千円)
1987年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1986年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1985年度: 13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
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研究概要 |
1.水稲の新品種は旧品種に比し, HI(収穫指数)と登塾歩合が向上し, 安定した生産性を示したが, 前乾物重が低下する傾向にあり注目された. また, 登塾はその初期には籾当たり葉面積と穂軸重により, 後期には根の呼吸速度により左右される. 一方, 暖地品種は外国産多収品種に較べ, sink量(収穫期籾穀量)が著しく少なく, sink量の増大とそれに伴う葉の量の増大と活性の強化が必要と認められた. 2.春播コムギの短強稈系統は, N多施によく反応して増収したが, 同時にHIが上昇する系統が見出され注目された. なお, 子実収量は, N12kg水準で550g/m2に達した. 3.マメ類では, 栄養生長量の抑制とHIの向上が共通して増収に結びつく. ダイズでは, 品種ヒュウガの矮性突然変異系統が蜜植により増収する. ラッカセイでは, 亜種fastigiataの早生性と少分枝性の増収効果が指摘された. ソラマメでは, m2当たり茎長100cmの有効茎を100本程度確保することにより高収がえられた. 4.イモ類では, 光合成率やイモの生産特性が異なる代表的品種を用い, 葉の働きとイモの肥大の関係を詳細に解析した. その結果, サツマイモの光合成率の高低には, 葉肉コンダクタンス(生理的形質)と柵状組織の長さ(形態的形質)が関与していることがわかり, バレイショとサトイモでは, イモの肥大が葉の挙動と密接な関連を示すことが明らかになった. 5.代表的な作物について, その生産性をNの吸収と利用効率および光エネルギーの吸収と利用と利用効率との関係に基づいて解析し, 作物のもっている収量のpotentialityとその作物間差異を確かめた. 以上の結果は, 収量の成立と収量限界を考察する際に合理的な指針となるばかりでなく, 実際育種や栽培技術に関わる研究者に有用な知見を提供するものである.
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