研究分担者 |
大庭 道夫 九州大学, 農学部, 助手 (80038281)
河原畑 勇 九州大学, 農学部, 助教授 (60038221)
鮎沢 啓夫 九州大学, 農学部, 教授 (00038142)
福原 敏彦 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70011880)
岩花 秀典 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90038240)
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研究概要 |
まず、各種難防除害虫に対する有効な天敵微生物を選抜し、その性状についても明らかにした。各種アブラムシには疫病菌類のErynia radicahsとEntomonhthora planchonianaが年間を通じ最も多種に寄生し、有望であった。イネミズゾウムシには硬化病菌のMetarhizium anisopliaeとBeauveria bassianaが強病原性で、前者については土譲中での発育消長に及ぼす温度,水分,pH等の影響も明らかにした。モモシンクイガに対しては細菌、Serratia marcescensの1系統が有望と判定され、この株の形態、生化学的性状及び病原性が検討された。ハスモンヨトウに対しては、各種の昆虫の核多角体ウイルスを接種し、EA-01,10-1N,UG-KA01の3株を強病原牲と判定し、これらについては昆虫培養細胞に対する感染性も検討した。コガネムシに対する有効な微生物の探索は病死体や土壌について行った。この内多数分離された菌種はB.bassiana,B.brongniartii,B.amornha,M.anisopliae等で、これらの株を各種のコガネムシ幼虫に接種した結果、F-76,F-77,F-84が高い殺虫率を示した。イエバエには供試した246株のBacillus thuringiensis中、16株が強病原性で、これらはすべて耐熱性毒素産生菌であった。次に昆虫ウイルス多角体の土壌中での安定性を確かめる方法を見いだすため、キアシドクガ核多角体ウイルスについて、この病気が自然発生した土壌からの水性二層分配法による多角体の精製及び間接蛍光抗体法による同定を試み、これらの方法が昆虫ウイルスの土壌中での存在を確かめる上で効果的なことが実証された。前記のB.thuringiensisについて、有効菌株の分子育種を目的としてsubsp alestiのプラスミドを抽出し、クローニングによる検索及び混合培養により同遺伝子を含む可能性の高いpQU1の性状を検討した。また、ショットガンシークエンス法が微生物の品種改良に有効なことを明らかにした。
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