研究概要 |
この研究は農産物の計測方法の基準化を計ることを目標に、グループ研究者が総合的な見地から、研究企画に基づき、計測方法に関する従来の研究成果を収集,整理,実験を通じて基準化に向けての問題点の提起を行うと共に、そのまとめとして、農産物性研究第3集の刊行を見た。 この研究において、取り上げた主な内容は次の通りである。 (1)穀物の品質と物性測定ー基準化の検討ー (2)穀粒の安息角とその計測方法(特に穀粒を対象) (3)農産物の機械的特性の非破壊・実時間測定(特に測定原理と方法) (4)青果物の力学的特性の計測方法と基準化ー主として青果物の音響特性に関する計測方法(可聴周波数帯及び超音波振動の利用) (5)青果物の光学的特性(表面色の計測方法及び温州みかん,富有柿,トマト,エダマメの表面色の計測方法) (6)農産物の水分測定法と水分計(化学的,電気的光学的方法の計測) (7)穀物の水分移動特性(玄米,籾,大豆,トウモロコシ等の水分移動特性の計測) (8)スラッジ特性と計測(流動性等の物理特性の計測) (9)青果物の流体力学的特性と水力輸送(流体抵抗特性の計測) (10)穀類の機械的傷害(ビール麦,麦類の傷害の測定方法) 等について、検討を加えることができた。 しかし、物性問題の解決には、その問題のもつ広範囲なため、十分に網羅することは不可能であった。 したがって、第3集は既に報告の第1 第2集の不足を補い若干新しい部分の展開を行い、物性計測の基準化への第1歩となればと考えている。
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