研究課題/領域番号 |
60304039
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
戸尾 きめ彦 北海道大学, 獣医学部, 教授 (70001526)
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研究分担者 |
橋本 晃 岐阜大学, 農学部, 助教授 (70021706)
菅沼 常徳 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (50063970)
萩尾 光美 宮崎大学, 農学部, 助手 (20128359)
内野 富弥 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (60060513)
安田 準 北海道大学, 獣医学部, 助手 (20142705)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1986年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1985年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 獣医超音波診断 / 超音波妊娠診断 / ウシ肝臓び漫性痍変 / ウシ肝硬変 / ウシ心奇形 / ウシ創傷性心膜炎 / 動物の腫瘍 / 動物の水腎症 |
研究概要 |
獣医学臨床領域における超音波診断の診断基準の確立と診断精度向について焦点をしぼった各領域での研究成果は次のごとくである。 1.大動物とくに乳牛における妊娠診断では発情期の子宮内粘液貯留像と妊娠を示す胎嚢像との鑑別が重要であった。前者は2〜3日の経過で消失する。胎仔は30日頃描出されるので、AI後25〜30日の診断精度は高い。 2.乳牛のびまん性肝臓痍変について自然例および実験例で肝臓の断層像を観察した。肝臓の水腫性変性と中等度の脂肪化は肝エコーレベルの低下を来し、辺縁の鈍化と肝内血管像の不明瞭化は本痍変の診断基準とし得る。 3.乳牛の肝および腎臓の正常像を基礎に、うっ血性肝硬変では肝靜脈と門脈の拡張、実質エコーの増強が指標となる。腎疾患では水腎症や嚢胞腎でヱコーフリー腔の存在する特徴的映像がみられ本症の診断指標となる。 4.ウシ心臓の映像化にはセクタ走査がすぐれ、系統的アプローチ法による仔牛心奇形の生前診断精度は極めて高かった。創傷性心膜炎では心周辺映像による痍態を分析し、進行例の映像基準を得た。 5.動物の摘出腫瘍を3種のファントムと対比し超音波減衰から腫瘍の分類をした。生体内腫瘍では悪性腫瘍ほど内部エコーは不均一となり、反対に良性腫瘍では内部エコーが均一となる。高い精度で鑑別診断が可能であった。 6.豚の妊娠診断では多数例の体表走査から交配後22日以降は100%であり、診断基準は胎嚢の映像である。犬の妊娠診断では胎嚢像は交配后22日以降100%であり、従来法に比し早期診断が可能である。 7.犬と猫の水腎症例で軽度のものは拡張した腎孟壁に由来する強い線状エコーが特徴である。高度水腎症では腎孟の拡張に伴う血管結合織等の間隙の液体エコーが特徴である。これによって嚢胞腎等との鑑別が従来法より高い精度で可能である。
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