研究分担者 |
富岡 玖夫 (冨岡 玖夫) 千葉大学, 医学部, 助教授 (20009632)
山本 尚三 徳島大学, 医学部, 教授 (50025607)
野島 庄七 帝京大学, 薬学部, 教授 (70090470)
清水 孝雄 東京大学, 医学部, 助教授 (80127092)
鹿取 信 北里大学, 医学部, 教授 (50050365)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1987年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1986年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1985年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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研究概要 |
アラキドン酸代謝の異常は種々の病態と密接に関係する. 本研究班は3年間に以下の如き研究成果をあげた. 室田は血管内皮細胞のPGI_2産生を亢進させる新ペプチドを発見した. このペプチドはカリクレインが血清蛋白に作用して遊離させるもので分子量1万以下である. 石橋はPAF合成酵素をラット脾臓ミクロソームより可溶化し, その諸性質を詳しく調べた. またPAFに特異的な受容体をヒト血小板より精製した. 市川は癌化肥満細胞のPGE1受容体を可溶化したのち精製し, 分子量10万の受容体蛋白がGTP蛋白と会合して複合体を形成したいることを見つけた. 小沢は熱傷水泡中にリノール酸からつくられる新物質ロイコトキシンを発見し, このものが肺水腫血管内皮細胞障害等をひき起こすことを見つけた. 鹿取はラットに心筋梗塞を起こさせ, 病巣部への多形核白血球の浸潤がLTB_4によって起こることまた心筋壊死巣の拡大が, 5-リポキシゲナーゼ阻害剤で抑制されることを見つけた. 清水はLTA4水解酵素をヒト肺より精製し, その一次構造を明らかにした. 高井はPCG1がCAMP系とCa^<2+>系の2つの伝達系を介してc-mycとc-fos遺伝子の発現を抑えることを見つけた. 鶴藤はアレルギー炎症モデルを用いて, アナフィラキシー反応期にペプチドLTは存在するが血管透過性亢進現象には直接関与していないことを見つけた. 富岡はヒト好中球を精製しそのアラキドン酸代謝を調べることにより, 気管支喘息への関与を詳細に検討した. 成宮はPGD_2の制癌作用を詳しく解析し, その本体はΔ^<12>-PGJ_2であることを見つけ, このものが特異的蛋白を誘導してG_1期停止をもたらすことを見つけた. 野島はPAF抗体の作製に成功し, 本抗体が極めて特異性の高いことを証明した. 山本はシクロオキシゲナーゼの免疫測定法を確立し, シクロオキシゲナーゼ異常症患者について詳しく検討した.
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