研究分担者 |
小林 譲 愛媛大学, 医学部, 教授 (20038615)
熊田 信夫 名古屋大学, 医学部, 教授 (80022755)
田中 寛 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60155158)
多村 憲 新潟薬科大学, 教授 (50027314)
須藤 恒久 秋田大学, 医学部, 教授 (90006700)
田中 寛 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012692)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1987年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1985年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
本年度の患者発生状況の調査では,前年度にひき続き患者数は減少傾向にあるが,これは鹿児島県など,一時的に異常な患者発生をみた地域での発生数の減少によるものであり,全国的にみると依然として患者多発傾向にあること,また,最近各地で紅斑熱患者の発生が報告されるようになったのにともない,本病との鑑別,特に血清学的鑑別診断法確立の必要性が新たな問題として生じてきた.病原リケッチアに関する研究は,これまでに3種標準株を用いて行なわれてきた抗原性の分析結果を踏まえ,標準株以外の分離弱毒株についての抗原分析や特異的モノクローン抗体作製の試み,抗原組成と病原性との関連などが検討された,特に,株特異抗原と考えられる54ー56K蛋白の抗原性の差異がそのリケッチアの病原性の強弱に大きく影響している可能性などが示された.恙虫によるリケッチア伝播様式の研究では,経卵感染による次世代への高率なリケッチア伝播様式の検討がひき続き詳細に進められ,さらにこれを電顕レベルでも確かめることができた.即ち,感染雌成虫の産出した卵中の〓化直前の胎児体内において,その各所にリケッチアを極めて容易に見出すことができ,経卵感染の事実を直接的に確認することができた.また,感染雄成虫の精包内にリケッチを認めることはできず,雄恙虫を介しての次世代へのリケッチア伝播の可能性は認められなかった,媒介種によって好発条件に異なる気候的,土壌的要因が含まれ,それらを住民の野外活動との関係において患者の発生状況が変わることが明らかになった.我国での本病多発と関連して進められた台湾の調査では,多数の患者血清について,その抗体の解析が免疫ブロット法を含めた種々の方法で実施され,また現地の野鼠から分離されたリケッチアについてその性状の検討が行なわれた.
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