研究課題/領域番号 |
60304056
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
武田 真太郎 和歌山県医大, 医学部, 教授 (70073690)
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研究分担者 |
松本 健治 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10073694)
竹内 宏一 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (90021394)
坂本 弘 三重大学, 医学部, 教授 (40024674)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 加齢変化 / 最高可聴閾 / 正常加齢曲線 / 地域診断指標 |
研究概要 |
1.最高可聴閾の正常加齢曲線の設定ー環境騒音の大きくない都市住宅地,農山村,漁村の居住者で、5歳以上85歳までの健常耳4,293例(過去の測定例を含む)について最高可聴閾を測定し、各年齢階級別に、5〜95%ileの%ile値ごとの基準曲線を描いた。基準曲線の全体を概観すると、男女とも5歳以降加齢とともにゆるやかに低下しつづけ、65歳を超えると低下の著しいものが多くなり、分布幅も広くなっていた。65歳以上の年齢での最高可聴閾の低下は男子でとくに著明であったが、騒音曝露歴の差が関与しているのかも知れない。 2.正常加齢曲線の地域差ー被検耳を都市部と農山村・漁村との居住者に2分して、両群の加齢曲線を比較すると、農山村・漁村の男子では、加齢現象が都市部よりも早く進行している結果がえられた。 3.騒音作業従事者の最高可聴閾ー種々の騒音作業の従事者365耳の最高可聴閾の分布は、正常群に比べてわずかながら低下しており、同一人についての作業前後の最高可聴閾でも、作業後に低下する例が多く、作業騒音の影響を受けている可能性が孝えられた。今後、実験的な騒音曝露による最高可聴閾のTTSを検討し、騒音の影響を客観的に明らかにする必要がある。 4.航空機騒音の曝露を受ける地域住民の最高可聴閾ー大阪国際空港周辺で昭和61年10月測定のWECPNLが81.7dB以上のK地区において測定を続けている。高校生については今春4月〜5月、一般住民については6月に実施することになっているので、加齢曲線の全体像についての比較検討はまだできないが、幼・小・中学校の子どもたち979耳の最高可聴閾をみると、11歳男子を除く全ての年齢で、航空機騒音の曝露を受ける地域に居住しているものの方が有意に低下していた。なお、同時に測定した調節近点には地域差がみられなかった。
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