研究分担者 |
高橋 三郎 滋賀医科大学, 精神医学講座, 教授 (20079916)
丹羽 真一 東京大学, 医学部精神医学教室, 助手 (30110703)
保崎 秀夫 慶応義塾大学, 医学部精神神経科, 教授 (30051056)
町山 幸輝 群馬大学, 医学部神経精神医学教室, 教授 (40010194)
大熊 輝雄 国立精神, 神経センター武蔵病院, 院長
OOKUMA Teruo National Musashi Research Institute for Mental and Nervous Diseases Presiclent
稲永 和豊 久留米大学, 医学部, 教授 (00080705)
山口 成良 金沢大学, 医学部, 教授 (00064501)
|
配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1987年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1986年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1985年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
|
研究概要 |
機能性精神病の病因と病態に, 大脳半球の機能分化と統合の障害がどのように関与し, どのような役割を示しているかを明らかにするために, 多施設で多面的な方法を用いて本研究を行なった. このうち, 鳥居は鏡像書写やage di sorientationを, 鹿島は新修正WCSTを用いて分裂病者の特徴を神経心理学的に明らかにした. また, 大熊は分裂病者や躁うつ病者の滑動性追跡眼球運動を調べ, 高橋(良)はアイカメラや連続視覚課題を用いて分裂病者の病態を検討した. 高橋(三)は分裂病者の発語先行CNVを, また丹羽や町山は分裂病者や躁うつ病者の事象関連電位を測定し, 半球間の統合機能を研究した. さらに, 山口は分裂病と感情障害の局所脳血流量を, 稲永は分裂病脳のMRI-CTを調べた. これらの結果を脳の左・右, 前・後, 上・下の関係から考えてみたところ, まず左右の問題という視点からみると, 分裂病に左半球機能障害の存在を示唆する知見が多く得られた. しかも, 妄想型と非妄想型で半球優位性が異なるなど, 症状や予後によって変動する可能性が示唆された. 一方, 前後の関係についてみると, 分裂病の前頭葉機能障害説が広くいわれてきたが, 本研究においては, 分裂病の障害と前頭葉機能障害を直ちに結びつけることを疑問とする報告が目立った. さらに, 上下の関係をみると, 分裂病における皮質下の機能の重要性も示唆された. また, 検査結果に対して薬物がどのように影響しているかを明らかにすることの必要性も示された. このように3年間にわたる本研究の結果は, 機能性精神病の解明に大きく寄与するものと考える.
|