研究分担者 |
渡辺 稔 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (50012638)
五味 保雄 金沢大学, 薬学部, 教授 (80004563)
高柳 一成 東邦大学, 薬学部, 教授 (70012599)
木村 正康 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (60019099)
福田 英臣 東京大学, 薬学部, 教授 (50080172)
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研究概要 |
本研究は用量反応曲線と受容体結合,受容体のサブタイプの分類,脱感作用,病態動物における受容体の機能について得られた成果を報告する。 1.ACh受容体の研究:モルモット回腸の電気刺激によるAch量をラジオイムノアッセイ法により測定し、神経側にAChの【M_1】受容体を示唆した(川島)。血管平滑筋以外に虹彩平滑筋にもAChによる弛緩物質の遊離作用を明らかにした(渡辺),薬物-受容体結合様式からefficacyと受容体量により薬物の活性の相違(高柳),モルモット心蔵における【M_2】-ムスカリン受容体にはアゴニストに対する3種の結合部位の推定(吉田),各種平滑筋におけるコリンエステルの活性と外液カルシウム依存性の相違を(五味),平滑筋単細胞を用いてAChの脱感作用から受容体の変化よりは【Ca^(++)】流入の閾値の変動として解析した(内田)。糖尿病態マウスのAChとSuccinylcholineの感受性の増大は受容体機構の変化によることを推定した(木村)。 2.血管平滑筋における受容体の作用機構:微少電極を用いてカテコルアミンの抑制作用はα及びβ受容体を介して【K^+】の透過性の増大によること(富田),ヒスタミンの冠動脈の弛緩作用はサルでは【H_1】と【H_2】により,ヒトでは【H_2】受容体を介すること(戸田),ウサギ脳底動脈におけるプリン受容体を介する拡張作用は【A_1】タイプであることを示した(石田)。実験的糖尿病ラットの血管におけるアドレナリンの感受性の増大は内皮細胞由来弛緩因子が一因であることを明らかにした(粕谷)。 3.オータコイドの受容体機構:モルモット肺動脈におけるオータコイドの作用を検討しヒスタミンの【H_1】は興奮作用,【H_2】は抑制作用を示すこと(栗山),モルモット胆のうのコレシストキニン受容体の機能を(久保田),培養鶏胚脊髄を用いてGABA受容体と【CL^-】チャネルの活性化による腹電位の変化を示唆した(福田)。
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