配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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研究概要 |
昭和62年度の研究成果は, 次の二点に要約できる. 1)昭和61年度に行われたナルコレプシー患者のHLAーDQβ遺伝子の解析につづいて, 昭和62年度はHLAーDQα遺伝子のDNA配列について解析を行った. 健康者およびナルコレプシー患者の血液から, 白血球を分離し, そこからDNAを抽出し, 色々なDNA制限酵素で分解した. 電気泳動で分解されたDNAを展開したあと, アイソトープで標識したDQαcDNAprobeを反応させて, probeが結合するbandを検討した. その結果TagIを制限酵素として使用した場合, DQαcDNAと結合する6.0Kbのbandがナルコレプシー患者群の100%に検出された. このbandは健康者群では53.6%に検出された. 逆に6.6Kbのbandは患者群では3.6%健康者群では64.3%に検出された. 2)我国ばかりでなく外国においても, ナルコレプシーとHLAーDR2の相関に関する研究が広く行われるようになるにつれて, HLAーDR2が検出されないナルコレプシー患者の存在が報告されるようになった. 現在まで200名以上の患者を検査して, 依然として全員DR2陽性であるという我々の結果と, これらの報告の差がどこに起因するのかが問題となる. そのうちで最大の問題点は, ナルコレプシーの診断基準である. 我々は日中の低抗しがたい傾眠傾向と, Cataplexy(情動脱力発作)の二つを診断基準としている. 国外ではhypnagogic hallucination,sleep paralysis,sleeponset REM(rapid eye movement)などを基準に用いている研究者が存在する. 日本人ナルコレプシー患者について, 上記の症状とHLAーDR2の相関を調べたところ, cataplexy以外の基準で診断するとHLAーDR2陰性の患者が出現することが示された.
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