研究概要 |
1.形態学的:北大理, 近交途上, 京大医等のラット下顎骨の計測値によるモニタリングを行い, ほとんどすべての系統で正しく同定できたが, 管理図を用いた簡便法では同定できなかった(後藤). 2.生化学的:Pg-2,Rtp-1,Rtp-2の多型を見つけ, それぞれPg-1,Mup-1,cとリンクしていることが判った(山田). Ahd-2,Ahd-C,Akp-1,Git-1,Hao-1,Pgd,Tamの検査法を確立した(松本). Ld-1の遺伝解析を続行中である. DA系にマウスのベージュ様mutantが見つかった(西村). Hbaの検査法を開発したが, 多型は見つからなかった. CWSラットの白内障の遺伝について, マウスのクリスタリン, ラットのキモトリプシンのcDNAを用い解析中である(東海林). C6,Gc,Gdc,Es-5i,Es-1,Es-2の確実な検出方法を開発した(早川). 3.mtDNA切断型:mtDNA切断型は近交系で7型に分けられ, 多くの系統についてタイピングを行った(林). 4.免疫学的:PTI内組み換え系統のWIN系を確立した. RTIクラスII抗原のI・E領域の検出方法を確立した. ヒトDp-βのDNAをプローブとして, RFLPを検出した(名取). マウスH-2のAα,Eα,EβをプローブとしてPFLPを検索し, 近交系で5型,野生動物で6型を検出した(森脇). 5.体細胞交雑法,in situ hybridization:両方法によりGSTP, 幾つかのがん遺伝子, その他の遺伝子を染色体へあてはめた(吉田). ラットangiotensinogen遺伝子を染色体19qへあてはめた(山田). 6.細胞遺伝学:Ag-NORにつき各系統の特徴づけを行った. 高精度分染法により, 全染色体にわたり約450本のバンドを検出できた(佐々木). まとめ:わが国における近交系ラットの由来を整理し, 主要な63系統について33の生化学的遺伝子のプロファイルを作成した. 種々のタイピング法のマニュアルを作成し, ラットにおける遺伝的モニタリング方法(案)を作成した(全員).
|