配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
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研究概要 |
1)エキシマーとルビーレーザによる時間差2段階励起装置を完成させた. 2)アルカリハライド結晶をエキシマーレーザによって励起し, 最低三重項状態にある自己束縛励起子(STE)を生成, その後ルビーレーザでSTEを更に上の電子準位へ励起するという時間差2段階励起により, STE内での緩和及びSTEよりF+H中心への変換過程を明らかにした. 他の物質について更に緩和機構を検討中である. 3)アモルファスAs2S3薄膜を光照射したり, 温度を上昇した場合の光吸収スペクトルの変化を測定した. その結果, 層状をなすAs2S3の層間の結合が光や熱により一部切断されることを明らかにし, この物質での励起状態の緩和に関する基礎的知見を得た. 4)KCI及びNaCL結晶のF中心からのホットルミネッセンスをピコ秒時間分解法により抽出し, F中心の2sと2p準位は項間交差しない事を明らかにした. 5)〜100K以上の温度では, KI結晶中の最低三重項にあるSTEからは熱的過程でF+H中心が生成されることが明らかとなった. 又, 更に上の電子状態からも直接作られるF+H中心もある. 6)強結合極在電子格子系に於ける準位交差を共鳴2次光学スペクトルについて統計力学的観点から理論的に調べた. 又, F中心のホットルミネッセンスを半古典的モデルにより解析した. 以上, 時間差2段階励起装置を完成し, 凝縮系の励起状態の緩和過程を解明するという所期の目的をほぼ達成することが出来た. 今後更に広い範囲の物質に研究の領域を拡大する予定である.
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