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高磁界における第二種超伝導体の臨界電流密度

研究課題

研究課題/領域番号 60420019
研究種目

一般研究(A)

配分区分補助金
研究分野 応用物性
研究機関九州大学

研究代表者

松下 照男  九州大学, 工学部, 助教授 (90038084)

研究分担者 豊田 直樹  東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50124607)
大城 桂作  九州大学, 工学部, 教授 (40038005)
岩熊 成卓  九州大学, 工学部, 助手 (30176531)
都甲 潔  九州大学, 工学部, 助手 (50136529)
山藤 馨  九州大学, 工学部, 教授 (90037721)
研究期間 (年度) 1985 – 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
1987年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1986年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1985年度: 21,900千円 (直接経費: 21,900千円)
キーワード超伝導体 / ピン止め / 臨界電流密度 / 巨視的ピン力密度 / 量子化磁束格子 / 飽和現象 / 脱飽和現象 / Kramer則
研究概要

磁束ピン止めにおける飽和現象および脱飽和現象を転位や常伝導析出物をピン止め中心にもつNb-TaおよびNb-Tiについて研究を行った. この結果以下のことが明らかになった.
1.飽和現象の場合, 個々のピン止め中心の要素的ピン力fpやピン濃度Npを大きくすると, 量子化磁束格子の弾性は増加する一方, 降伏歪に比例する相互作用距離が減少し, 量子化磁束格子が脆化することが明らかとなった. すなわち, 飽和現象は格子の硬化と脆化が相殺した結果生じる. その機構はこれまで唱えられていたKramerモデルの剪断フローの機構とは異なる.
2.脱飽和現象の場合に量子化磁束格子の脆化が起らず, Npやfpが増加したときに格子の弾性が大きくなっただけピン力密度が増加する. このように同じ材料で飽和から脱飽和への転移が観測され, 飽和特性以上の特性はあり得ないというKramerモデルとは矛盾することが示された.
3.上記の結果等を基になだれフローモデルを提唱し, 飽和となるか脱飽和となるかは格子欠陥を含む量子化磁束格子をピン止め相互作用で安定化できるかどうかにかかっていることを示した. この結果, 実験結果を統一的に説明でき, 要素的ピン力fpやピン濃度Npを十分に大きくすることで脱飽和特性が達成できることを明らかにした. これは現在望まれているNd_3Snの高磁界特性の改善が原理的に可能であることを示したものである.
4.脱飽和の場合のピン力密度のピンパラメータ依存性としてはNp^<2/3>fp^<4/3>に比例するというLarkin-Ovchinnikov理論とNpfpに比例するという筆者らの線型和理論とが提出されているが, 定性的・定量的に線型和理論の結果に近いことが明らかとなった. このことより, ピン止め特性の一層の改善にあたってはピン濃度Npを増加させることも要素的ピン力fpを増加させることと同等に有効であることがわかった.

報告書

(3件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 1986 実績報告書
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (13件)

  • [文献書誌] 松下 照男: Proceedings of International Symposium on Flux Pinning and Electromagnetic Properties in Superconductors. 98-101 (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 松下 照男: Physical Review B. 33. 3134-3138 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 松下 照男: Japanese Journal of Applied Physics. 26,SUPPL.26-3. 1501-1502 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 松下 照男: 未踏加工技術. 210. 5-18 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 松下 照男: Journal of Applied Physics. 63. (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Heinz Kupfer: Journal of Applied Physics. 63. (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Heinz Kupfer: Advances in Cryogenic Engineering. 34. (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 原田 直幸: Journal of the Physical Society of Japan.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 松下照男: Physical Review B. 33. 3134-3138 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 松下照男: Journal of Applied Physics.

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Heinz K【u!¨】pfer: Journal of Applied Physics.

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 松下照男: Journal of Physical Society of Japan.

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Phys.Rev.B. 33-5. (1986)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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