配分額 *注記 |
20,500千円 (直接経費: 20,500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1985年度: 17,900千円 (直接経費: 17,900千円)
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研究概要 |
ヨウ素輸送法あるいは各種の溶媒を用いた溶液成長法により, 基板用単結晶としてのZnS, ZnSeの作製を試みた. ヨウ素輸送法では縦型電気炉を使用して4mm角程度の大きさを持ったZnS単結晶が再現性よく得られるようになった. 溶液成長法ではカルコゲン化合物を溶媒とした除冷法により5mm角程度のZnS単結晶が得られた. また, Sb_2Te_3溶媒より成長させたZnSにおいて, as-grownのもので10^4Ωcmといった比較的低い抵抗率を示すものが得られた. 一方, In-Zn-Al溶媒から成長したZnSe単結晶は抵抗率も低く, 大きさも十分あることからZnSe基技としての利用が可能である. 発光領域用材料として評価するため, ZnSxSe_<1-x>とZnxCd_<1-x>Sの2つの混晶系について溶液成長法にて単結晶を作製した. いずれの混晶系でもTe溶媒に対するZnSの溶解度が低いため, 溶液の組成の選択が難しく, 全組成にわたっての混晶は得られなかった. ZnSxSe_<1-x>系では組成がZnSに近づくにつれ, Teによる発光帯が高エネルギー側にずれ青色発光が得られた. ZnxCd_<1-x>S系ではCdSの組成比が増すにつれ, 抵抗率が減少した. ZnSxSe_<1-x>系混晶をZnS(111)S面上にTeを溶媒として液相エピキシャル成長法にて作製した. ZnSeのZnS茎板上への成長では, 成長温度790°Cで, 降温速度を0.2°C/minと遅くすることにより, 従来よりも平坦性のより薄膜単結晶が成長した. 混晶の成長では成長した結晶の組成は, 成長に使用した溶液での組成に比べZnSの割合が高くなっていた. ZnSe茎板上へのZnSeの成長では, 基板であるZnSeのTeに対する溶解度が高くメルトバックが激しいため, 平坦な表面をもった薄膜の成長を認められなかった. 以上, 簡単な構造のデバイスを作製する際に必要とされる基礎的な問題については本研究を通し, かなり解決されてきたと思われる. 今後, デバイス作製に向け研究を進めたい.
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