配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1985年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
これまでの模型実験, 実物実験, 現場実測の成果を総合的に解析し, 固体音に関して, 床版や梁などの振動性状, 建物内での伝搬性状, 音の放射特性等の基本的なデータを整備すると共に, 要素毎の理論解析を進め, 特に低音域の床衝撃音について, 重点的に研究を行った. まず床版振動場と下室音場の連成系の挙動について, 両者の減衰比をパラメータとしたモードの比較分析を行い, 床版から下室への一方向直列伝搬連成系計算モデルとして取扱い得ることを明らかにした. ついで, 衝撃による床版振動の周波数応答関数と床版振動から下室音への周波数応答関数並びに衝撃による下室音の周波数応答関数を, それぞれ実験によって求め, 有限要素法などによる個々の計算結果と連成系の波動的積分計算結果等の検証を行い, 本計算モデルの妥当性を確認した. さらに, 下室音圧の周波数応答関数すらJISによる床衝撃音相当値を計算する方法を示し, 実測値と対比して, 境界条件等の単純な場合は十分な予測精度をもつこと 実証した. また, 別途, 超高層集合住宅の排水管系について, 流水加振と衝撃加振を用いた固体音と空気音の現場測定を行い, 建物系と管系の固体音伝搬に関する資料を得た. 板振動からの音の放射に関しては, 板振動のモードで板の各微小部分がピストン振動をしているものとして, 下室受音点の周波数応答関数を波動的に面積分する手法の有効性が確認された. 上記分の如く, 床衝撃音に関しては, 一応計算方法を提案できたが, 今後, 境界条件の取扱いや木造床など複雑な床構造の解析を進めて行く必要があり, 建物内の伝搬あるいは建物と配管の相互伝搬など多くの問題を残している.
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