研究課題/領域番号 |
60420046
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 横浜国立大学 (1986) 東京工業大学 (1985) |
研究代表者 |
田中 良平 横国大, 工学部, 教授 (80016188)
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研究分担者 |
吉原 美知子 横浜国立大学, 工学部, 助手 (70111705)
堀江 史郎 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (90114892)
加藤 雅治 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (50161120)
森 勉 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40016259)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
1986年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1985年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 高温破壊 / 分散強化合金 / 粒界すべり / 粒界破壊 / ボイド成長 / 中間温度脆性 / 拡散律速変形 / 引張試験 / 高温変形 / 結晶粒界介在物 / 動的再結晶 |
研究概要 |
本研究では高温破壊に及ぼす結晶粒界介在物の影響とその役割に関する基礎的な知見を得るために、実験としては銅基分散強化合金を用いて高温変形・破壊挙動を調べた。また理論的な解析としては、粒界すべりと、破壊につながる粒界上のボイドの拡散成長の問題を取扱った。本研究で得られた主要な知見を、以下に箇条書きに要約する。 1.Ge【O_2】粒子を結晶粒界上にもつ銅多結晶をモデル合金として用い、室温から900Kまでの種々の温度で引張変形したところ、約600K付近で延性が極小となる、いわゆる中間温度脆性の出現を見い出した。 2.変形後の試料を走査型電子顕微鏡によって破面観察した結果、破壊様式は温度上昇に伴い、粒内(500K以下)、粒界(600K付近)、粒内(700K以上)と変化することがわかった。また中間温度脆性は粒界すべりと密接に関係し、粒界上のGe【O_2】粒子まわりの粒界すべりによる応力集中部からボイドが発生し、それが成長・合体して粒界破壊に至ったことが明らかになった。 3.変形速度が速くなるほど、またGe【O_2】粒子が小さくなるほど中間温度での脆化の程度が小さくなることが見い出された。さらに700K以上では変形中に動的再結晶が頻繁に起こり、それが延性回復の原因となっていることが推測された。 4.双結晶を用いた実験によっても粒界上の介在物粒子が高温破壊に大きな影響を及ぼすことが確認された。 5.拡散律速の粒界すべりと粒界ボイドの成長を記述する速度式を、外力が粒界を含む物体全体の力学的(ギブス)自由エネルギーを下げるように作用するという考え方に立って、統一的に導くことに成功した。この理論的研究は高温変形・破壊機構を議論するときに重要な現象の物理的背景を明らかにしたものであると考えている。
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