配分額 *注記 |
21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1985年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
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研究概要 |
1,2ージアミノエタン(DAE)と1,2ーエタンジオール(EDO)の赤外光誘起回転異性化反応について下記のような実験を行い,多くの知見を得ることができた. DAEの低温アルゴンマトリック中における赤外光誘起回転異性化反応について,異性化の効率の波長依存性を調べるため,バンドパスフィルターを用いた選択的照射実験を行なった. 実験はCH種とCD種について行なった. 照射波長はNH_2逆対称伸縮振動バンド,CH_2対称および逆対称伸縮振動バンド,CD_2対称伸縮振動バンド(いずれもCC結合についてゴーシュ形の吸収バンド)に一致するように設定した. 800cm^<-1>付近にあるゴーシュ形のNH_2縦ゆれ振動のバンドの吸収強度の減少から,反応も一次と仮定して速度定数を求めた. この定数を入射する光子数で規格化するために,光源が放射する光子数とフィルターの透過率とその光を吸収するバンドの吸収強度によって補正して異性化の相対的効率を求めた. その結果,励起される振動モードのエネルギーが大きくなるほど異性化の効率も大きくなる傾向が題られるが,特異な振動モード依存性は見られないこと,異性化のしきい値は2060cm^<-1>以下であること等が明らかとなった. EDOについて低温アルゴンマトリックス中で分子内水素結合をもつ2種類の回転異性TG^+G^-および^+G^+G -形の存在を確認した. 40 00cm^<-1>から400cm^<-1>までの赤外光(H光),1650cm^<-1>から400cm^<-1>までの赤外光(L光)をそれぞれ照射して,回転異性化反応を観測した. その結果,TG^+G^<-1>形からTTT形およびTTG^-形への回転異性化はH光,L光のいずれによっても誘起されるが,G^+G^+G^+形からG^+TG^+形への回転異性化はH光のみによって誘起されることが分かった.
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