研究課題/領域番号 |
60430013
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小森田 喬志 (1987-1988) 大阪大学, 理学部, 講師 (90028209)
新村 陽一 (1985-1986) 阪大, 理学部, 教授 (60028074)
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研究分担者 |
冬広 明 大阪大学, 理学部, 助手 (90156951)
山成 数明 (山城 数明) 大阪大学, 理学部, 助手 (40116124)
松岡 延子 大阪大学, 理学部, 助手 (30028203)
小森田 喬志 大阪大学, 理学部, 講師 (90028209)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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キーワード | 金属錯体 / 溶解度相図 / キラル識別 / 自然分晶 / ジアステレオマー / 光学分割 / ヘテロポリ酸 / シクロデキストリン |
研究概要 |
溶解度相図を次の系について測定した;[Co(leu)(NH_3)_4]Br_2、[CoCO_3(en)_2]-Br、(NH_4)_6[Co_2Mo_<10>O_<38>H_4]・7H_2O、[Co(diNOsar)]X_3、[Co(Me_2dtc)(en)_2]X_2、[Co(ox)(en)_2](meso-tart)_<1/2>。主な結果として(1)[Co(leu)(NH_3)_4]Br_2の25℃における3成分溶解度相図では、全組成範囲で等温線は1本であった。固相の分析でもDとLの比が任意に変わることから、固溶体の存在を発見した。又、[Co(L-leu)(NH_3)_4]Br_2・H_2Oおよび[Co(DL-leu)(NH_3)_4]Br_2・H_2OのIRスペクトル、粉末X線パターンも全く同一であり、固溶体の存在を支持した。金属錯体で、この種の相図が得られたのは初めてである。(2)[CoCO_3(en)_2]Br錯体のラセミ体は2種類存在し、15℃以下では2水和物、15℃以上では無水物となる。3成分溶解度相図の温度変化から15℃以上で自然分晶することを見出した。この系のように、自然分晶がある温度を境に明確な転移点を示す例は極めて稀である。(3)(NH_4)_6[Co_2Mo_<10>O_<38>H_4]・7H_2OはD_2対称の構造をもち、光学分割された唯一のヘテロポリ酸である。2成分系溶解度ではSrac/Sact=1.40(15℃)となり自然分晶の可能性が示された。結晶成長の結果確認された。この系のラセミ体は既にA、B2種類の結晶が知られており、X線構造解析により、両者ともラセミ化合物であることが分かっている。従って我々の結果は、別のラセミ混合物の存在を示すものである。この他、キラル識別の理解を深める立場から、被分割錯体と同種の荷電を有する活性錯体(Chiral Additive)を用いる光学分割機構についても研究した。この分割ではChiral Additiveが被分割錯体に選択的に吸着し、その結晶成長を阻害するため、析出するΔ体とΛ体に差が生じ光学分割が可能となることを明らかにした。又、選択的色接能を有するシクロデキストリンを直接配位させたCo(III)錯体を合成し、これをカラムに吸着させ、アミノ酸を含む陰イオン錯体の分割に応用した。
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