研究概要 |
1.Si,Al分配関係の特性化:テクトアルミノケイ酸フレームワーク上のSi,Al分配関係を特徴づけるために置換同心クラスターの概念を導入した。この結果、フレームワーク上の分配関係は、フレームワークに固有の置換クラスタータイプとそれらの出現頻度によって特徴づけられること、また、クラスターを一次,二次・・と拡張することにより、SiとAlの第一,第二,第三,・・・近接関係を明確に把握出来ることがわかった。 2.Si,Al分配関係の予測:Loewentein則(最近接Al-Al対忌避則)およびDempsey則(第2近接Al-Al対最小則)条件下で可能な置換クラスターを求める方法について検討した。その結果、一次置換クラスターについてはシンプレックス法、二次置換クラスターについては、Z=C・Fの関係より、それらの頻度を決定出来ることがわかった。ここで、Zは一次置換クラスターにより規定されるスカラー量、Cは二次置換クラスター内のAl-Al対ベクトル、Fは:スターの出現頻度である。次に、これらの置換クラスターを実在フレームワーク上にわりつけ、可能なSi,Al分配を求めるために、コンピュータグラフィックス法を開発した。また、実際に実施するにあたってはフレームワークの並進対称性を重要な手がかりとしてわりつけることにした。その結果、可能な分配構造を全て得ることが出来た。 3.単結晶X線回折法によるSi,Al分配の決定:四軸結晶X線回折法により、上々の方法で得られたモデル分配構造が果して妥当なものであるかどうか檢討した。フーリエマップ上ではSiとAlの差は認められなかったが、T-O原子間距離上で明らかに有意差を生じており、これを手がかりにAlの分布サイトを決定したところ、前記分配モデルとして求めたものの中の一つに完全に一致することが判った。
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